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『映画』や『アニメ』、『読書』や『美術館』などの思い出を残すために始めたブログです。完全に個人用なので読みにくかったらスイマセン!

【美術展】『酒呑童子絵巻──鬼退治の物語』:超有名な妖怪退治譚の絵巻を観られて感激!

2019年2月15日訪問

酒呑童子絵巻───鬼退治の物語
A Tale of Expelling the Demon

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【一言】

日本三大妖怪の筆頭に挙げられる「酒呑童子」の絵巻物!
鬼退治の物語、そして頼光らヒーローの活躍を描いた巻物を全巻観られたのは感激!

一方で、展覧会としての展示には甘さを感じた部分も少々。

 
【Twitter140文字感想】

 

 

 

 

展覧会の説明

 

都の貴族の娘たちを次々に略奪する酒呑童子という鬼を、源頼光藤原保昌および、渡辺綱坂田金時ら四天王が退治 する物語は14世紀には成立しており、多くの絵巻物や奈良絵本に描かれて普及しました。鬼の住みかによって、大江山系と伊吹山系の2系統に分類されています。根津美術館が所蔵する3種類の「酒呑童子絵巻」はいずれも16世紀以降の伊吹山系の作品ですが、それぞれ画風も制作年代も異なります。なかでも、19世紀の住吉派の絵師が描いた8巻本は、前半の4巻に酒呑童子の生い立ちの物語を加えているのが特徴で、今回はじめてその全貌を紹介いたします。各作品の表現の違いをお楽しみください。
根津美術館

会場:根津美術館
会期:2019年1月10日~2月17日
料金:1,100円(一般)
公式サイト:こちら
出品リスト:PDF

 

 

 

 

酒呑童子の物語

 

詳しい物語の紹介
以下の2件は一見の価値ありです!

京都国立博物館WEBページであらすじが紹介
・児童文学作家・楠木正雄の「大江山」が青空文庫にて公開!




 酒呑童子の物語。
 本当は、簡単にまとめたかったのですが、なかなか大変だったので......パワポのタイムラインで簡単に(笑)

 

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展覧会の感想

 

 日本の怪異譚や鬼退治の物語の中でも、一番と言えるほどに有名な『酒呑童子』の物語。私自身も大好きな物語で、今回、とても楽しみにしていました!

 実際に、有名な物語を描いた日本がをまるまる全て観られる機会なんて無いでしょうから、とても貴重だったと思います!



 「酒呑童子の物語」の何が好きかといえば、その豪華さ!
 まさに、日本版の『アベンジャーズ』的な感じですよ!!(笑)


 まず、敵の酒呑童子
 日本三大妖怪としてもその名を轟かせる訳で、知らない人はいないと思えるほどの超有名な鬼神。さらに、配下の茨木童子は「羅生門の鬼」と同一ともされる。これまた豪華!

 そして、ヒーローたち!
 怪異討伐譚の英雄的な武将の「源頼光。彼が率いるのは、鉞担いだ「金太郎」の名で有名な坂田金時や、茨木童子を退治した「渡辺綱」など頼光四天王。加えて、陰陽師の「安倍晴明」まで登場してしまうんですから!


 ついでに、神様も豪華!
 頼光らは、八幡, 住吉, 日吉, 熊野という4つの大きな寺社に参拝し、さらに劇中でも4人の神様に度々助けられるという、これまた豪勢な物語構成となっております!




 貴重な体験というのは、大きいですね!
 酒呑童子の物語を描いた絵巻の中でも代表的な、住吉弘尚による「酒呑童子絵巻」の全8巻をほぼ全部観られたというのは、本当に嬉しい!


 解説書とかネットを漁れば、討伐シーンなどの有名で大事な場面は観られても、その前後のシーンとかはなかなか探せないし、観られる機会なんでないですからね!
 1つの物語を描いた、1まとまりの絵巻を観るということが、非常に大切だと感じた、今回の展覧会でした!



 一番良かったのは、その「全巻を観られた」という部分。
 酒呑童子は最初から鬼だったわけではなく、大酒飲みの子供が徐々に鬼へと変貌していきます。

 今回、住吉による絵巻を全部見れたことで、その変化の過程が途切れることなく鑑賞することができ、非常に印象的でした!




 しかしまぁ、そんなところでしょうか。
 実物を観られた感動はそれなりにありましたが、それ以上のものはありませんでしたね。



 完全に雑談ですが。
 今、大人気のサブカル・コンテンツに『Fate』というのがありますね! 歴史上の英雄や神話の登場人物を召喚して敵と戦い、願いを叶える聖杯を争う聖杯戦争を描いたゲームで、様々にメディア展開しています。

 中でもソーシャルゲームFate/Grand Order』ではこの物語の登場人物が何人か実装されています! 左から、上段が酒呑童子茨木童子、下段が源頼光坂田金時です。
 全然史実と違うし、頼光は女性ですが......私自身が好きなコンテンツなので、少しだけ触れておきました(笑)

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 こんなイラストがあったり!
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展覧会で残念に思ったこと

 

 さて、今回の根津美術館での展示。
 個人的には、説明が足りなかったと感じました。少し勉強した分は当然高望みだとしても、通常の展覧会であるような説明がなかった点には驚きました。




 まず、登場人物解説がない!


 こういう物語系の展示では、普通は登場人物の解説をするはず。しかも今回は現実の史実とリンクした人物たちなんだから、歴史も踏まえた解説が欲しかった! 偉業とか人物相関図とか、そういうものがあってもいいのでは?

 西洋絵画展とかだと、例えばギリシア神話等を題材にした作品では、きちんと登場神や人間の解説がされているのですが......。



 そして、「背景」の説明も無い!


 今回は史実に片足を踏み込んだような物語なわけ。つまり、その物語の成立背景とか、当時の平安時代の状況のような時代背景とかの説明は必須だと思います。さらに、「酒呑童子絵巻」の中で時代等が触れられているにも関わらず、その解説が微塵もないというのは、どういう事なのでしょう────?

 例えば、「鬼」は「野蛮人」の形容というものがあります。
 当時、京都を中心とする貴族や武士たちは、山奥の先住民や北方の民族を征伐する為に軍をだしました。この点に関して、酒呑童子民俗学的見地から解説した小松和彦

つまり、先住民=敗者=鬼、征服者=勝者=人間という、まことに単純な図式がここには見える
小松和彦(1995)「日本妖怪異聞録」小学館, p.31

と指摘しています。

 「鬼」が表象するものというのは古典とか日本美術を学べば高校レベルで登場しますが、そういう部分を美術館として解説&説明すべきではないかと感じました。



 これは要望に近いですが、絵巻に記されている物語本文を、現代語訳にしてパネル印刷して展示して欲しかったです......。


 あらすじがあれば十分ですが、やっぱり原典の言い回しとか、順番とかって気になるので......。本文の中で「どこで酒呑童子という単語が初めて登場したか?」というのを探していた友達がいて、そういう意味でも必要だと思います!



 そして最後は、お土産がない!
 これは完全に個人的なものですが(笑)

 てっきり、展示図録とかポストカードが販売されていると思っていたし、買う気満々でした。しかし、館員さんに聞いたら「用意していない」とは! その一方で「燕子花図屏風」関連のお土産は超充実しているし。

 これは、結構残念でした......。

 

 

 

 

展示&関連資料の紹介

 

 展示に関して、紹介するものはないです。
 文字通り、絵巻が展示され、その場面の物語の要約が展示されていただけなので、本当に何も紹介するものがないです(笑)

 ぜひ、解説本や参考書、美術書等を読んだり、ご覧になってください!
 以下に、私が読んで面白かったものを挙げておきます。



 今回の展示を観るに当たり、勉強しました。

 私なりにポリシーがありまして、「現代美術」は勉強せずに今ある知識と第一印象で観る。「西洋美術」はある程度知っているから簡単に復習。そして、「日本美術」に関してはほぼ一切知識がないため、ちゃんと勉強するという鑑賞方法を持っています。

 今回も本を一冊で読んだのですが、好きな物語ということもあり、ハマって何冊も読んでしまいまいした。伝承や御伽話に歴史, 言語, 地理学を含めた民俗学的な解説がとても興味深かったです!



 

 

WEB記事:酒呑童子
著者:京都国立博物館
リンク:こちら

 

 酒呑童子の物語を簡単におさらいするなら、この京都国立博物館のページが簡単だと思います。本を読まなくていいし、スマホでちゃちゃっと3分程度で見られるので(笑)

 簡単でありながらしっかりまとまっていますし、国立の博物館の学芸員の解説ですから、怪しいWEBサイトなんかより確実です(笑)

 

 

 

著者:小松和彦

 

 小松和彦先生は、民俗学者社会学者などです。
 この分野では先駆的な、第一人者的な方で、中でも「酒呑童子」に関する研究では非常に多くの文献がありました。



 「日本三大妖怪」を挙げたのも小松先生。
 日本三大妖怪とは、酒呑童子玉藻前、大嶽丸の三体です。

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世界!ニッポン行きたい人応援団

もっとも恐ろしい妖怪はどれかを、もし中世の人びと、それも都人にたずねたら、次の三つの妖怪の名があがるだろう。酒呑童子玉藻前、そして大嶽丸。
小松和彦(1995)「日本妖怪異聞録」小学館, p.31


また、その理由については分からないとしながらも

これらの妖怪に対して、特別の扱いをしたことはわかっている。すなわち...[中略]...人びとの「宝物」として、その遺骸、もしくは遺骸の一部が、支配者の権力を象徴する「宝物倉」に収められた...[中略]...すなわち藤原氏の氏寺として藤原頼通が建立した、宇治の平等院の宝蔵であった。
小松和彦(1995)「日本妖怪異聞録」小学館, p.31

としています。

 

 

書名:日本妖怪異聞録
著者:小松和彦
発行者:小学館講談社
刊行年:1995年/2007年

 酒呑童子のみならず、妖怪や怪異について非常に面白く細かく興味深く記してあって、特にオススメします!(というか一度読んだほうがマジで良い)
 小学館講談社から出版されていますが、中身はほぼ同じでした。

 酒呑童子玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、付喪神、大嶽丸、橋姫という8体の怪異について、物語をまとめながら、民俗学的な見地から解説してあります。

 もともとは青少年向け雑誌のコラムとして書かれた内容が元なので、とにかくわかりやすくて、本当にオススメです!(しかし内容は大人が読むべき充実度!)

 

 

書名:妖怪絵巻 日本の異界をのぞく
著者:小松和彦(監修)
発行者:平凡社
刊行年:2010年

 妖怪・怪異譚を絵巻でみたいという場合に!
 あらすじとともに、絵巻の綺麗な画像が掲載されているので、とても楽しいです。物語も解説も簡潔にまとまっているにので、全然難しくなく、まさにおとぎ話感覚で眺める感じです!

 酒呑童子をはじめ、土蜘蛛や百鬼夜行など有名な妖怪・化物・怪異の物語が網羅してあるので、とても良いと思います!

 

 

書名:酒呑童子異聞
著者:佐竹昭宏
発行者:平凡社
刊行年:1977年

 こちらは、大きく分けると「伊吹山系」と「大江山系」の2つに分類される酒呑童子の物語ですが、特に「伊吹山系」に焦点を絞り、酒呑童子の前の物語から分析を行っています。
 これを読むと、脈々と連なる日本における妖怪譚の成立過程や変化の仕方などがわかるようで非常に興味深いです!

 酒呑童子に関して、一般的に語られている「その前」の部分から伝承を集めて体系化しているため、その繋がりがとてもおもしろかったです!

 

 

 


 

 

 

 展示内容の紹介は以上です!
 そうですね、絵巻を観られたこと自体は嬉しかったですが、それ以外の部分でチラホラと残念な部分が映ったりしました。

 根津美術館の庭園ももちろん散策しましたが、やっぱり冬は草木が茶色くなるし、池は菖蒲を植える為に水が抜けれていたりと、この時期は残念ですね......。

 

 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!