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『映画』や『アニメ』、『読書』や『美術館』などの思い出を残すために始めたブログです。完全に個人用なので読みにくかったらスイマセン!

【映画】ブリッジ・オブ・スパイ

 

 

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2016年1月17日
【評価:4.4/5.0】
 
【一言】
これが“スパイ”。
危ない“橋”を渡るギリギリの交渉と説得術、信念が格好いい!
 
 
『その橋を踏み外せば世界が終わる。』
ブリッジ・オブ・スパイ
(原題:Bridge of Spies)
 
 

【STORY】

第88回アカデミー賞にて作品、助演男優、脚本、美術、録音、作曲賞の6部門にノミネートされた本作。

 
 アメリカとソ連による冷戦下の5,60年代。
 敏腕の弁護士ドノヴァンは逮捕されたソ連スパイの弁護を引き受け懲役刑に留めることに成功。
 その数年後、ソ連領空を飛行中だった米偵察機が撃墜されパイロットが捕まってしまう。
 米ソ両国はスパイとパイロットとの交換をドノヴァンの手に委ねる。
 平凡な彼の手に世界の命運が委ねられた―。
 
 題名の「Bridge」とは人質交換が実際に行われた「グリーニッケ橋」のこと。
 

 
 

【詳細】

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:史実
上映時間:142分
日本公開:2016年1月8日

HP:
 
 
 

【感想】

※感想の中にネタバレ含みます。(史実を基にしているので線引きか難しいです。)


 公開から時間が経ち、観に行こうか迷っていたら、なんとアカデミー賞に6部門もノミネート。
 こりゃ、観るしか!
 
 これが本物の“スパイ”。
 水面下でギリギリの交渉を相手から引くことなく行う。国でさえ関知しない孤独の闘い。
 孤独ながらも自らの信念と正義感を貫いたドノヴァン、本当に格好良かった!
 特に米国最高裁で演説する彼は!

 それから、ソ連スパイのアベルを好きになっちゃいました!
 
 140分と長丁場。しかもほとんどが会話で描かれる今作。なのに飽きない!
 これはやっぱり脚本と演技の賜物なんでしょうね。
 
 ラストにかけてはもう最高!
 書類上も記録にも残らず、口約束だけで行われたのに米国も、ソ連も、東独も男らしい!
とにかく人質交換のシーンからは感動とニヤニヤが止まらない素晴らしいラスト!
 
 
 
 

 まず、『格好いい』。
 自国のために信念を貫くスパイ。
  法と自らの正義を信じる弁護士。
 この二人、大好きになりました!!
 
 そして、“スパイ”って本来はこういうものなんですよ。
 軍用機にしがみつかないし、世界征服を企むタコも出ないし、銃弾を防ぐ傘や秘密兵器も無し。ましてや白昼堂々とした銃撃戦なんてもってのほか。
 高級スーツに身を包み、高級車で移動なんてやっぱり映画の中だけ。
 
 冷戦下の時代にしがみつき、睨み合う大国の思惑を綱渡りし、法と正義と信頼を武器に、水面下で極秘理に行動する。
 灰色のコートに身を包み、雪の中を足音を響かせながら走る。
 この渋さ、アナログさ、普通さがむしろ格好いいです!


 

 この物語の主人公のノヴァンも、副主人公のアベルも最高!
 
 まずノヴァン。
 ここまで同じことを書いてきましたが、とにかく格好いい!
 正義と信念を貫く主人公ってやっぱり格好いいですね!
 米国の最高裁判所で行った彼の演説が素晴らしかったです。『この時代において何か1番大切なのか。合衆国として何をすべきなのか。人民としてどうすべきなのか。』これは文章でもう一度読みたいです。
 そしてソ連、東独を相手に一歩も引かずに信じて交渉を続けた強さ。
 トム・ハンクスだったのも良かったんでしょうね。

 
 そしてアベル。
 ただのヨボヨボの老人。なのにどこか愛着が湧いてくるんですよね。
 静かに絵を描いていて、ほとんど喋らない(役に立つかね?)。
 ラスト、橋で別れるときに感動!



 ストーリー構成もほぼ完璧。

 前半はノヴァンの弁護の凄腕がこれでもかと披露されます。
 
 中盤、偵察機墜落によって物語は急展開。
 人質交換の交渉のためにノヴァンが敵地へ飛び交渉を開始。
 
 そして、ラスト。
 グリーニッケ橋での人質交換。
 ここが一番良かったです!

 書類上も、記録上にも残らず、国の後ろ盾もない中で相手との口約束を互いに信じて交換する。“男の口約束”って良いですね。
 お互い心の中では疑惑が渦巻いていたと思いますよ。でも相手を信じて待ち、行動するというのはやっぱり感動します!


 

 これがオスカー候補の作品ですか。
 今回はノミネート発表後に観に行ったので映画を観るのに“注目するポイント”的なものがあったわけですよ。

 0(ゼロ)から観るというのも良いですが、こうやって注目する点を絞って映画を観ると、より集中出来るし、細かいところまで意識が届きますね。
 
 助演男優賞はアベルを演じたマーク・ライランスがノミネート。
 ほとんど台詞も無いのにあの存在感と、湧いてくる愛しさ。
 納得です。
 
 脚本賞にも納得。
 だってこんなにも長いのに物語(史実ですが)に引き込まれるんですから。
 しかも、ラストに向けた緊張感と、開放感、嬉しさを導き出したんですから。


 

 実話を基にした映画でいつも楽しみにしているのが本編終了後に出る後日談や主人公らの軌跡、彼らの人生やその結末が語られるところです。
 
 今作も例外なくありました。
 そして、それを見てホッと安堵のため息と、安心の笑顔が溢れました!