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【美術展】『美を紡ぐ 日本美術の名品──雪舟、永徳から光琳、北斎まで──』:"豪華"に凝縮される価値と貴重!

 

 

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2019年5月3日訪問

美を紡ぐ 日本美術の名品
雪舟、永徳から光琳北斎まで―

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【一言】

「とにかく豪華!」
その一言に尽きる、見事な展示。

日本美術の名品と謳われる作品の数々は、どれもその価値を堂々と湛えていて、その凄さに圧倒され、同時に感激しました!

 
【Twitter140文字感想】

 

 

 

 

「美を紡ぐ 日本美術の名品」

 

美術展の概要

 

「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』―皇室の至宝・国宝プロジェクト―」の一環として開催する特別展です。皇室ゆかりの名品である狩野永徳筆「唐獅子図屏風」と、永徳最晩年の作である国宝「檜図屏風」を、同時公開するのに加えて、雪舟尾形光琳葛飾北斎らの名品を、一堂に紹介する展覧会となります。
平安から近代の名だたる日本美術の名品をご覧ください。
東京国立博物館HP

InternetMuseum 「美を紡ぐ 日本美術の名品」

会場:東京国立博物館
会期:2019年5月3日~6月2日
料金:一般 ¥1,100
展示作品数:計41点
東博HP:こちら
特設サイト:こちら
作品リスト:こちら

 

 

 

「紡ぐプロジェクト」とは

 

皇室ゆかりの優品や国宝・重要文化財をはじめとする日本の美を、広く国内外へ、さらに未来へ紡ぐために、文化庁宮内庁読売新聞社が協力して進めていくプロジェクトです。 特別展覧会の開催に加え、フォーラムなど関連事業や、日本美術・文化の魅力を発信するポータルサイトの開設、文化財修理事業をプロジェクトの柱として実施します。貴重な文化財・美術品の公開を通じて得た収益を修理に充てることで、文化財・美術品を後世に紡いでいくために欠かせない「保存、公開、修理」という一連のサイクルが永続する仕組みを作っていきます。
プロジェクト特設サイト

「紡ぐプロジェクト」 初の展覧会が開会 記念式典

特設サイト:こちら
文化庁ページ:こちら
プレスリリース[PDF]:こちら

 

 

 

 

美術展の感想

 

 『美を紡ぐ 日本美術の名品』の展示に行ってきました!
 もう、ほぼ1ヶ月前のことで、そろそろ展覧会が終わってしまいますね(笑)

 まぁ、昔のことでも記憶は鮮明に残っている、それほど豪華で最高の、二度と無いような美術展でした!
 昼間に行ったら激混みだったので、夜に再び出直したら空いていて快適に見られました! それに、東博は夜の姿が綺麗ですしね!





 まずなによりも、展示作品の豪華さが桁違い!
 最初のTwitter感想にも書いていますが、出品作品は要文化財や国宝級のものがゴロゴロしているし、同時に作者も日本美術代表するような方々ばかり!

雪舟
狩野永徳
尾形光琳
藤原定家
葛飾北斎
長沢芦雪
俵屋宗達
伊藤若冲
黒田清輝
横山大観
・与謝野蕪村
・過去の天皇

 美術の資料集、日本史の教科書、国語の便覧に登場するような(実際に掲載されている)作品が何作も展示してあって、日本美術に疎い私でも興奮と感激でいっぱいでした!




 作品を所蔵している3館。
宮内庁三の丸尚蔵館
文化庁
東京国立博物館

 今回は中でも、三の丸尚蔵館がデカイです!
 つまり、皇室=天皇の所有する貴重な作品を一箇所で観られるというまたとない機会なのです!

 「紡ぐプロジェクト」一環の展示。
 最初の「両陛下と文化交流」と今回の「美を紡ぐ」はどちらも皇室の所蔵品を展示するという点で非常に貴重な機会です(n回目)。

 皇室所有の展示は、もちろん三の丸尚蔵館に行けば観られますが、酒井抱一「花鳥十二ヶ月図」が全て揃っていたりと、こういう機会は本当に滅多とない機会です!




 とにかく豪華さと貴重さに驚いてばかりでした(笑)
 だって、視界の端にチラチラ映る作品は豪華なものばかりで、作品を知らなくても美しさにワクワクしました!

 それから、作品リストの薄さに驚きました!
 というのも、入り口で手渡された作品リストはA4用紙両面1枚。しかもその内容も約40作品程度しか並んでいないその紙面。
 もっと70とか80点くらいの作品が出品されていると思っていたので、これには本当に驚きましたね。(あまり公式HPとか見ずに展示を観て、その後にHP等で情報を確認するタイプなので、なおさらです。)




 会場は、東博の展示室を4室使っての展示です。
 個人的には、これがとっても良かったと思いました!

 他の美術展でも複数会場を使用する訳ですが、特別の企画展示室を用いるので、その美術展が観終わるまでは空間的に拘束されてしまいます。

 しかし、東博の今回の展示は少し違います。
 複数の階にまたがる展示室を移動するのですが、その他の展示室にフラッと入って埴輪を観たり、再入場が可能だったり、気に入った作品が展示してある部屋にダイレクトに再入場できたり。

 そもそも、東博の建物って綺麗ですから、展示の合間に建物内をウロウロできるのはとっても良いものです!




 具体的な作品への感想は、以下から!

 

 

 

展示作品と感想

 

 

 展示作作品を紹介しながら、簡単な感想を書いていきます!
 残念ながら、私は日本美術に関する知識は少ないので、どちらかというと感覚的な感想になると思います!

 なお、作品リストを見ればわかりますが、「(通常)出品」と「特別出品」がそれぞれ20点くらいでした。

作品リスト:PDF

 

 

通常出品

 

No.1
作品名唐獅子図屏風[右隻]
作者狩野永徳
時代:安土桃山時代・16世紀
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

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右端下部の狩野探幽による極書によって,桃山画壇の巨匠・狩野永徳の数少ない確証的な作品として名高い。岩間を闊歩する雌雄の堂々たる獅子の姿は,実に力強い筆法で描かれ,単純な図様ながら,その迫力,勇壮さには,本屏風が永徳自身の作品であることを疑う必要はない。...[中略]...明治21(1888)年に毛利元徳より献上。
三の丸尚蔵館 収蔵作品詳細


 この作品の説明でまず最初に驚いたのは、両方とも「国宝・重要文化財」ではないという点です。非常に有名な作品なので、この点は意外でした。それに、天皇所有の前は毛利氏が持っていたという点も、新知識で驚いた点です。

 狩野永徳は、室町時代に活躍し、足利将軍家の御用絵師を努めた狩野派の4代目、安土桃山時代に活躍した絵師です。
 そして、作品の絵そのもの。 獅子のタテガミの整った感じとか、とっても綺麗でした!

 

 

No.1
作品名唐獅子図屏風[左隻]
作者狩野常信
時代:江戸時代・17世紀
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

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後に狩野常信が右隻の図様にあわせて制作したもので,今日は一双として伝わる。明治21(1888)年に毛利元徳より献上。
三の丸尚蔵館 収蔵作品詳細


 一方、こちらは江戸幕府御用絵師の中でも最高位にあった「奥絵師」の四家の1つ、木挽町狩野派の2代目、狩野常信。

 個人的には、永徳の方が好きでした。獅子らしさは永徳のほうが、常信の方はどちらかというと聖獣に似た雰囲気がある気がします。

 

 

No.2
作品名檜図屏風
作者狩野永徳
時代:安土桃山時代天正18年(1590)
所蔵:東京国立博物館
指定:国宝

作品名:檜図屏風 作者:狩野永徳 時代:安土桃山時代・天正18年(1590) 所蔵:東京国立博物館 指定:国宝

作者は桃山時代の泰斗,狩野永徳。今は屏風だが,もとは天正18年(1590)12月落成の八条宮邸の襖絵の一部であった。永徳は同年9月に他界した為,製作の最後まで立ち会えたか否か不詳だが,観る者を圧倒する巨木中心の構成と,金地濃彩の豪華絢爛さは,彼のつくりあげた絵画様式を伝えて迫力に溢れている。大枝を振りかざして舞うかのような檜の姿や,限定した色彩の凛としたコントラストは見所である。
名品ギャラリー・館蔵品


 本来は豊臣秀吉智仁親王のために造営した御殿の一室を飾るための襖絵だったそう。

 この杉の、”木らしからぬ”曲がり具合とか本当に凄いと思います。
 真っ直ぐに伸びる杉と違い、威厳というか荘厳さが醸し出されているように感じます!
 また、猛々しい杉の本体に目がいきがちですが、葉とか地衣類の表現がまた秀逸なんですよ! これは、本物を近くで観た時にこそ分かるものだと思います!

 

 

No.3
作品名四季草花図屏風
作者狩野永徳
時代:安土桃山時代・16世紀
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:四季草花図屏風 作者:伝狩野永徳 時代:安土桃山時代・16世紀 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館


 狩野永徳による、「四季草花図」です。
 個人的にこのテーマが大好きなんですよ!

 以前見に行った「酒呑童子絵巻」でもこの四季の草花が同時に咲く特別な庭が描かれていたし、現代のイラストレーターさんでもこのモチーフを用いることが多いように思います。

 まぁ、1画面で四季が楽しめるんですから、楽しいし、お得です(笑)

 

 

No.5
作品名継色紙「よしのかは」
時代:平安時代・10世紀
所蔵:文化庁
指定:重要文化財

作品名:継色紙「よしのかは」 時代:平安時代・10世紀 所蔵:文化庁 指定:重要文化財


 解説では「紀貫之による恋歌の上の句と下の句を、藍と薄藍の色紙にそれぞれに散らし書き」されている、と。

 これは、めっちゃお洒落だと思います!
 意図してかせずしてか、余白もズレも、凄くセンスが良いと思いました!

 

 

No.8
作品名更級日記
作者藤原定家
時代:鎌倉時代・13世紀
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:更級日記 作者:藤原定家 時代:鎌倉時代・13世紀 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

平安時代中流貴族の一女性の回想記。菅原孝標の娘(1008~?)著。13歳頃から53歳頃まで,『源氏物語』が書かれて評判になった少女時代から,夫に先立たれた晩年までの記。本書は現存写本の祖本,枡型本の列帖装で,筆者は藤原定家である。御在来品。
三の丸尚蔵館 収蔵作品詳細


 鎌倉時代歌人藤原定家が書写したものです。
 解説を知って驚いたのですが、「『更級日記』の原本は残っておらず、写本のみが現存する。その全ての写本のもととなったのが、この定家本である」らしいです!

 これは驚愕でしたよ。
 つまり、メチャクチャ貴重なものですよ!!!!
 なんだか、国語の授業が大切なものな気がしてきます。

 

 

No.11
作品名浜松図屛風
時代:室町時代・15世紀
所蔵:文化庁
指定:重要文化財

作品名:浜松図屛風 時代:室町時代・15世紀 所蔵:文化庁 指定:重要文化財

両端に若葉の柳と雪をかぶった槙を置き,前景は十数種の草花と六十数羽の小鳥を大きく描いて四季の移り変わりを見せる。浜松に囲まれる遠景には,網を引き塩を焼く漁夫や狩装束の武士の一団などが描き込まれており,伝統的なモチーフを取り込んだやまと絵の四季花鳥図とみなすこともできる。全体に雲母を引き,小さな金の切箔を雲は密に,地面はまばらに撒いて表すなど装飾性の高い画面となっている。
名品ギャラリー・館蔵品


 解説では「海辺の風景に、春の梅や桜、生い茂る夏の葦、秋の紅葉、冬の雪山を描く」という全体の説明がありました。また「伝統的な四季絵屏風に則ったもの」であるそうです。

 狩野永徳のところでも書きましたが、私はこのテーマが大好きです!
 しかもこれは、四季を見事に詰め込んでいます! 桜は本当に細かいし、梅はとっても可愛いです!

 

 

No.12
作品名秋冬山水図
作者雪舟等楊
時代:室町時代・15世紀末~16世紀初
所蔵:東京国立博物館
指定:国宝

作品名:秋冬山水図 作者:雪舟等楊 時代:室町時代・15世紀末~16世紀初 所蔵:東京国立博物館 指定:国宝

もと、「夏冬山水」として京都の曼殊院(まんしゅいん)に伝来した「秋景山水図」「冬景山水図」。四季山水図4幅対のうちの2幅とも考えられる。雪舟(1420-1506?)は、周文(しゅうぶん)や如拙(じょせつ)、南宋の諸大家、明代の浙派(せっぱ)など、さまざまな様式を学んだが、両図の安定感のある構図や力強い筆致は、雪舟独特の作風を示している。  「秋景」では、画面左下から水の流れに沿って道をくねらせ、途中、語り合う2人の人物を点景におき、さらに楼閣、遠山と、手堅く奥行きが表されている。モチーフを下に集め、画面上部がどこまでも広がる空間となっており、「冬景」とは対照的である。  一方、「冬景」では、雪におおわれた断崖が中央にそびえ、舟から降りた人物が楼閣に向かって歩んでいる。オーバーハングする断崖の力強い輪郭線、冬枯れの樹木がきびしい寒さを感じさせる。画面左下すみから、反時計回りに岩や山を螺旋状に配置する構図は、人為的な構築性を強く感じさせる。強い筆墨の調子とあいまって、画面空間には意図的に奥行きが排されている。
e国宝


 名前はめっちゃ聞く「雪舟」さん。
 水墨画の有名所だし、実際に絵は綺麗ですが、個人的にはあまり苦手ですかね......。とうか、もっと凄い水墨画を観ているので、これは”大したことない”と思ってしまいます。

 

 

No.13
作品名伊勢物語 八橋図
作者尾形光琳
時代:江戸時代・18世紀
所蔵:東京国立博物館

作品名:伊勢物語 八橋図 作者:尾形光琳 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:東京国立博物館


 第九段「東下り」を題材にした作品です。
 そして、これは有名な「燕子花」の苦を読むシーンです!

 もう、国語の授業でも扱っているし、日本の古典を代表する作品の、その中でも特に有名な一場面です!
 しかも、それを描いているのが、かの尾形光琳という......。もう、本当に豪華すぎますよ!

 

 

No.15
作品名花鳥遊魚図巻
作者長澤芦雪
時代:江戸時代・18世紀
所蔵:文化庁

作品名:花鳥遊魚図巻 作者:長澤芦雪 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:文化庁

作品名:花鳥遊魚図巻 作者:長澤芦雪 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:文化庁

作品名:花鳥遊魚図巻 作者:長澤芦雪 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:文化庁

作品名:花鳥遊魚図巻 作者:長澤芦雪 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:文化庁

長澤芦雪は、江戸中期に活躍し、円山応挙の弟子として知られます。曽我蕭白伊藤若冲とともに「奇想の画家」として位置づけられ、高い評価を得ています。本作は、身近な動植物を巧みな筆致で描き出した画巻です。その詩情豊かな描写は、近世花鳥画巻の中でも屈指の出来栄えと言えるでしょう。
東京国立博物館HP


 解説においては「朝日に始まり、月龍月夜に終わる11メートルの画面に、鳥などの生き物や季節の花を描く」という説明が。

 この作品に関しては、「可愛い!」の一言!
 犬が可愛いし、亀も可愛いし、雀も可愛いし!
 この癒やされるようなフォルムとつぶらな瞳は最強ですよ!

 そして、墨の濃淡が本当に綺麗です! 
 また、藤の花がとっても綺麗でした!(個人的に、「藤」と「紫陽花」の花が大好きなんですよ!)

 

 

No.16
作品名西瓜図
作者葛飾北斎
時代:江戸時代・天保10年(1839)
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:西瓜図 作者:葛飾北斎 時代:江戸時代・天保10年(1839) 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

浮世絵師として知られる葛飾北斎の肉筆画で,北斎80歳の作。近年,乞巧奠を表しているのではないかとも説かれる不思議な情景を描くこの絵は,様々な画法を学んだ北斎の,精神性もともなった斬新な作品である。
名品ギャラリー・館蔵品


 この作品については、解釈が複数あるようです。
 まず最初の解釈では、「従来、本図は、宮中で行われた乞巧奠と重ねて理解」されていたと解説がありました。

 一方で、「新たに、和紙を介して接する西瓜と包丁を、川を挟んだ織姫と彦星と見立てる説」があるそうです!

 個人的には、後者の方がロマンティックで好きです!
 ってか、ただの西瓜のイラストに対して、ここまでの考察を行うのが学問なのですね......。

 

 

No.19
作品名石山寺蒔絵文台・硯箱
作者[蒔絵]川之邊一朝 | [図案]岸光景
時代:明治32年(1899)
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:石山寺蒔絵文台・硯箱 作者:[蒔絵]川之邊一朝 | [図案]岸光景 時代:明治32年(1899) 所蔵:宮内庁三の丸小学校1館

作品名:石山寺蒔絵文台・硯箱 作者:[蒔絵]川之邊一朝 | [図案]岸光景 時代:明治32年(1899) 所蔵:宮内庁三の丸小学校1館



 「紫式部観月図」を蒔絵で表現したものだそう。
 明治33年に開催されたパリ万国博覧会に出品されたそうです!

 めっちゃ綺麗でした!
 背景の黒と蒔絵の金のたった2色だけなのに、とても鮮やかに見えるのが不思議です! そして、とにかく細かい!

 

 

 

 

特別出品

 

No.2
作品名唐子遊図屏風
作者狩野探幽
時代:江戸時代・17世紀
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:唐子遊図屏風 作者:狩野探幽 時代:江戸時代・17世紀 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館


 解説によると、「鶏合、花合、獅子舞、春駒など、初春にちなむ遊びを唐子に演じさせた図様を、総金地の上に書き表」している作品です。

 獅子舞の被り物にある迫力は、最初の狩野永徳「唐獅子図屏風」等にも通じるような、狩野派の特徴なのですかね。

 また、子どもたちが楽しそうだし、持っている道具や服装が新鮮で良いです!

 

 

No.6
作品名玄圃瑤華「檀特・華鬘草」「花菖蒲・棕櫚」
作者伊藤若冲
時代:江戸時代・明和5年(1768)
所蔵:東京国立博物館

作品名:玄圃瑤華「檀特・華鬘草」「花菖蒲・棕櫚」 作者:伊藤若冲 時代:江戸時代・明和5年(1768) 所蔵:東京国立博物館


 解説では「版木に紙を密着させ拓本と同じようにその上から墨を打って形を出す若冲特有の拓版画」なのだそう。

 伊藤若冲といえば、やっぱり「鶏」の絵がイメージされるので、この作品は印象的でした!どこかオーブリー・ビアズリーの版画ににた色の雰囲気があります!

 

 

No.8
作品名新緑杜鵑図
作者与謝蕪村
時代:江戸時代・18世紀
所蔵:文化庁
指定:重要文化財

作品名:新緑杜鵑図 作者:与謝蕪村 時代:江戸時代・18世紀 所蔵:文化庁 指定:重要文化財


 解説を読んで驚いたのですが、「俳人として著名な与謝蕪村は...[中略]...日本文人画の大成者とされる」んだそうです!

 この葉っぱの描き方が独特で、個人的に気に入った表現です!

 

 

No.10
作品名花鳥版画「牡丹に蝶」
作者葛飾北斎
時代:江戸時代・19世紀
所蔵:東京国立博物館

作品名:花鳥版画「牡丹に蝶」 作者:葛飾北斎 時代:江戸時代・19世紀 所蔵:東京国立博物館


 北斎70歳前半の作品です。
 「植物」と「生き物」のコラボが見事です!

 このまま、絵手紙としてほしいくらい、秀逸な作品だと思います!
 この「牡丹と蝶」は、花札を連想しますね!

 

 

No.10
作品名花鳥版画「紫陽花に燕」
作者葛飾北斎
時代:江戸時代・19世紀
所蔵:東京国立博物館

作品名:花鳥版画「紫陽花に燕」 作者:葛飾北斎 時代:江戸時代・19世紀 所蔵:東京国立博物館


 上の芦雪のところでも書きましたが、私は「紫陽花」が好きなんですよ!

 燕とのコラボなのは意味があるのでしょうか?
 「燕が低く飛ぶと雨が降る」とかに関わっているのですかね?

 

 

No.11
作品名舞妓
作者黒田清輝
時代:明治26年(1893)
所蔵:東京国立博物館
指定:重要文化財

作品名:舞妓 作者:黒田清輝 時代:明治26年(1893) 所蔵:東京国立博物館 指定:重要文化財


 有名な黒田清輝の作品です。
 解説には「留学から帰国した黒田は...[中略]...京都を訪れた際に見た舞妓を新鮮に思い、本図を描いた」とありました。

 う~ん......個人的には、黒田清輝の良さというのはなかなか分からないです。

 

 

No.12
作品名雨霽
作者竹内栖鳳
時代:大正13年(1924)
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:雨霽 作者:竹内栖鳳 時代:大正13年(1924) 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館


 解説より、「円山四条派の写実的な画風に西洋画の描法や空間表現を取り入れた」とありました。

 西洋風の描法や空間表現というものがどういうものなのか、日本風のものがどういうものなのかはよく分かりません。

 しかし、この作品は好きです!
 雨の中の柳とか、飛ぶ”鷺”の感じとか、とっても湿気感があるというか、いい感じです!

 

 

No.14
作品名龍蛟躍四溟
作者横山大観
時代:昭和11年(1936)
所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:龍蛟躍四溟 作者:横山大観 時代:昭和11年(1936) 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

作品名:龍蛟躍四溟 作者:横山大観 時代:昭和11年(1936) 所蔵:宮内庁三の丸尚蔵館

 この作品は、横山大観本人から献上されたものだそう。

 右隻端の画賀「風雲馳九域 龍蛟躍四溟」の意味は以下のようです。
 解説から「天皇そして日本の前途を祝福する意味」が込められているのだそう。

 この作品の雰囲気が最高です!
 左隻の険しい鍾乳洞のような部分、右隻の立ち込める雲、そして「阿吽」のように口を開閉している2体の龍、とにかく画面から溢れ出るエネルギーの大きさが半端じゃないです”

 

 

No.21
作品名七宝富嶽図額
作者濤川惣助
時代:明治26年(1893)
所蔵:東京国立博物館
指定:重要文化財

作品名:七宝富嶽図額 作者:濤川惣助 時代:明治26年(1893) 所蔵:東京国立博物館 指定:重要文化財


 「1893年に開催したシカゴ・コロンブス世界博覧会の出品作で、会場では美術館に絵画として展示された」と解説にありました。

 これは「七宝」という技法のもの。
 陶器に金属線で作成した文様に、釉薬で細かな装飾をつける技法のことで、つまりは「絵画」とは少し性質が異なるもののように思います。

 初めて本物を見ましたが、本当に綺麗で、陶器とは思えない繊細さを湛えていました! これは観ることが出来てよかったです!

 

 

 

 

文化財の修復

 

 展示会場の一角には、「紡ぐプロジェクト」の紹介として、文化財の修復に関わる解説がなされていました。

 修復における素材や技術の紹介があり、ここまでとは違う側面から美術品・文化財を眺めることができそうでした。

 東博YouTubeチャンネルに、本展でも展示されていた「檜図屏風」の修理記録が掲載されていたので、ここに貼って置きます。

国宝 檜図屛風 平成大修理の記録

 

 


 

 

 展示内容の紹介は以上です!
 毎回、美術展のお土産にはポストカードを買っています!

 今回は、「美を紡ぐ」専用のお土産コーナーはアリませんでしたが、この「檜図屏風」があって、この絵はとても気に入ったものだったので、嬉しいです!

 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!