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『映画』や『アニメ』、『読書』や『美術館』などの思い出を残すために始めたブログです。完全に個人用なので読みにくかったらスイマセン!

【映画】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』:タランティーノ監督の現代版の西部劇!

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2019年8月30日鑑賞

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
Once Upon a Time in Hollywood

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【評価:4.4/5.0】

 
【一言】

「映画を観た!」
久々にこう心の底から楽しめる最高の1作!

ハリウッドを舞台にしたおとぎ話。
まさに《現代版の西部劇》のよう!
ブラピ×レオ様か超格好良い!

さすが、タランティーノ監督です!

 
【Twitter140文字感想】

 

 


 

 

【目次】

 

 

STORY&STAFF

 

テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリス・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、対照的にいつも自分らしさを失わないクリフだったが、2人は固い友情で結ばれていた。そんなある日、リックの暮らす家の隣に、時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してくる。今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。やがて1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み映画史を塗り替える事件が発生する。
映画.com

予告動画

 

監督:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
制作:ヘイディ・フィルムズ
キャスト:レオナルド・ディカプリオ, ブラッド・ピット and more.
上映時間:161分
日本公開:2019年8月29日
配給: ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント
公式サイト

 

 

 


 

 

 

映画と事件の話

 

 本作は1969年にハリウッドで起きた事件が描かれます。
 予告や公式HPの紹介では巧妙に隠されていますが、とある事件が関係しています。その事件の概要をここで紹介します。

 もちろん、ネタバレにはならないのでご安心を。



 1969年のハリウッドで、映画『吸血鬼』等に出演した人気女優「シャロン・テート」が殺害されました。その方法は残忍で死体はバラバラに切り刻まれていました。

 犯人はカルト集団「マンソン・ファミリー」。
 終末思想を信じて自らを救世主を名乗るチャールズ・マンソンを筆頭にしたゴロツキ。ドラッグとセックス漬けになった男女らは思考停止状態に陥っており、集まる犯罪集団が形成されていきました。

本編映像:<謎の集団 マンソン・ファミリー>編



 1969年7月25日、マンソンは信者2名とともに麻薬提供者であったゲイリー・ヒンマン宅を訪れ財産を差し出すよう要求。ヒンマンを椅子に縛り付けて耳を削ぎ落とし、信者が彼を殺害します。
 その後も数々の犯行が続き、1969年8月9日に女優シャロン・テートが殺害されました。

 

 犯行現場には被害者の血で意味不明なメッセージが書き殴ってありました。最終的に、窃盗や放火、銃器不法所持など様々な犯罪でファミリーが芋づる式に拘束されていき、上記の殺人事件の実行犯もファミリーであると判明します。

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チャールズ・マンソン

関連リンク
Wikipedia
殺人博物館

チャールズ・マンソン」を始め、数々の《シリアルキラー》を集めた展覧会の感想です ↓

 

 

 

 


 

 

 

映画の感想

 

感想外観

 

 待っていました、タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
 時代劇が続いたここ数年の作品は本当に面白かったですが、やはり本作も最高でした!

「あぁ映画を観たな」と思わせる満腹感と満足感が凄くて、今、とっても幸せです!

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やっぱり超豪華な主演のダンディな2人が格好いい!
レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットの共演は、男でも惚れるほどの格好良さを放ちながら映画の中で堂々たる振る舞いを披露!

 イケメン的な綺麗な格好良さと、少し老けた渋い格好良さがもう最高でした!

本編映像:<男の友情>編




 最高の2人と最高の監督による映画!
まさに「現代版の西部劇」のようでした!

映画の街・ハリウッドで、タランティーノ監督が大好きな西部劇をふんだんに盛り込み、さらに主演2人を巻き込んだ物語でもう一度“西部劇”を現代に蘇らせていました!

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物足りなさも満足する最高の160分!

 タランティーノ監督のイメージはやっぱり「人殺し」かなぁと。だって観ていて楽しいですから(笑)
 そういう意味では、本作はブラピとレオ様のドキュメンタリー的な印象を受けるほど刺激が少なく物足りなさを感じました。しかしそこはタランティーノ。その物足りなさをしっかり埋めて満足に持っていきます!



 ハリウッドへの、映画への愛が沢山!

 残念ながら私は映画に詳しいわけではないのでオマージュやリスペクトはほとんどわかりませんが、それでも感じるこの「ラブ」!!

音楽も映像も、観客のご機嫌取りも最高の素晴らしい映画でした!

特別映像:<ハリウッド1969>編

 

 

 

 

"現代版"の《西部劇》!

  

 本作を観ていて頭の中に浮かんだこのコピー。
 個人的には、結構、的を得た良いフレーズだと思います!

 ただし、私はほとんど西部劇なんて観たことないし、本作のリードもあるわけですが、そでれでもタランティーノ監督らしいのかな、とも思いました。



 まず題名。
『Once Upon a Time in Hollywood』は「むかしむかしハリウッドのあるところで……」と始まるおとぎ話の定型文句。

 これから始まる物語がフィクションだと声高らかに宣言しているようにも思えるし、名作の西部劇『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』へのオマージュなのかも。

 タランティーノ監督が西部劇好きなのは有名な話で、上述の『ワンス・~・ウェスト』を観て「監督になろうと思った」と言っていました。

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 で、映画が本当に西部劇チックなんです!
 なかなか内容を書くとネタバレになるし、本作のそれは物語だけではなくて、映像の撮り方も含めて「西部劇チック」なんですよ。

 物語面としては、「漢の物語」というところ。
 2人の友情を描いた作品であり、俳優として凋落する道を歩む主人公リックの姿は、「カウボーイ」や「ガンマン」の存在が凋落した西部と重なるようです。

 また、映像の撮り方も西部劇的!
 例えば、「乗り物」のシーン。西部劇では馬に乗ったカウボーイが降馬する時は足やブーツから徐々に上半身が映されるのが印象的です。そして本作では、オープンカーから降車するイケメンが革靴から映されます。
 もう、めっちゃ似ていて、最高でした!

 さらに言えば、物語の舞台が金とコネのハリウッドであったり、「シャロン・テート殺害事件」という歴史的な事件が下敷きにあったりと、設定自体が西部劇的だと感じました。
 もしかしたら、社会から軽蔑される「ヒッピー」の存在を「インディアン」と重ねていたのかもしれません。

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 ただこれは、監督のリードなのだろうなぁと。
 そもそも本作の主人公は西部劇の人気俳優リックで、劇中でも西部劇の様子が映されたりします。

 「西部劇」という時代劇を、現代を舞台にして描くにあたっての最善手なのではないかな、と思いました。誰もが憧れるガンマンと俳優を重ね合わせて、見事に現代に蘇らせたと強く評価したいです!

 

 

 

 

レオ様✕ブラピの共演

 

 レオナルド・ディカプリオブラッド・ピット
 初共演ということが驚きであり、でも分かる気がする、そんな超豪華な2人が共演を果たした本作は、それだけでも見る価値がある!!

 2人もタランティーノ作品には出演済み。
ブラッド・ピットは前前前作となるイングロリアス・バスターズでナチ打倒勢力のボスを演じ、レオナルド・ディカプリオは前前作である『ジャンゴ 繋がれざるもの』で極悪な奴隷商人を演じていました。

 今回は、TV俳優リックをレオ様が、リックの親友でスタント役のクリフをブラピが演じています。

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 「画面が眩しい」とはまさにこのこと!
溢れ出んばかりの「格好良さ」を惜しげもなく披露する2人
 なかなか言葉にするのが難しいですが、「あぁ格好良いな」と思う瞬間ばかり。あのイケメンとしての格好良さと、年季の入った渋い格好良さがもう本当に最高でした!

 レオ様はプールに浮かんで酒を飲むだけで格好いし、ブラピは車を運転するだけで格好いい。役者として演技している姿も、親友を心配する様子も、あまつさえ酔っている姿も最高!

 さらにいえば、2人が「親友」設定なのがまた最高!
 一緒に酒を飲んで、車で出かけて、お互いに悩みを相談してと、一緒に過ごす時間がなによりも愛おしくて、やっぱり格好いい!

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』本編映像

 

 

 

 

レオ様✕ブラピの演技!

 

 やっぱり、2人の演技は凄いですよ!
 誰にも負けない格好良さや圧倒的な役の入り込み度が違うって、素人の私でもはっきりと感じられるくらいに最高でした!

 豪華な主演が最高級の演技を惜しげもなく披露する本作は、観て損はないはずです!

Clip - Cliff, Randy, and Rick




とにかくディカプリオが凄かった!
 『OUaTiH』に出演する俳優としてはもちろん素晴らしかったですが、彼の演技は光るのは劇中での演技。

 ディカプリオが演じるのは、TV西部劇の悪役を得意とする俳優です。
 なので『OUaTiH』の中で西部劇を演じるディカプリオを見ることが出来るわけですが、そのギャップや格好良さ、渋さや迫力とドスの利いた演技は本当に素晴らしかったです。

西部劇のシーンは正直、観ていて鳥肌が立ちました。
 一方で俳優としてのリックは、なんだか普段の他の映画に出演しているディカプリオを観ているようで、「演技/私生活」の住み分けやギャップがとても綺麗だったと思いました。

本編映像:<リック・ダルトン流リハーサル>編




もうひとりの主役・ブラッド・ピット
 彼はもう、「安定の格好良さ」を「安定の演技」で演じます!

 アロハシャツを着たサーファー風のイケてるクールなキャラクター、笑顔がとてもハンサムな人物像はもはや彼の十八番ですね。
 だからこそ、車に乗るだけで格好いいし、でも紳士的な側面を持つ本作の登場人物としてもうってつけだし、それを抜群の演技が裏付けていると思います!

 それから、「間合い」がとても上手。
物語の流れが変わる時や、重要なセリフ展開の時に自然と挟む「間合い」や「視線の動き」とか、瞼を細める仕草とか、そういうのがとっても好き!

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」本編映像

 

 

 

 

「映画を観た」満足感!

 

 久々に、「あぁ、映画を観たな」と思える良作
観終わった後の、頭の満腹感というか、心の満足感がとっても気持ちよくて、エンドロールが終わった後の余韻が最高に愛おしかったです!

 160分と少し長丁場ですが、この長さもまた“映画”っぽい!
 まぁ、タランティーノ監督の映画はだいたいこんなものですよね。



 本作はヒューマンドラマ寄りの作品です。
 ある意味では、ブラピとディカプリオ演じる主人公のへの密着ドキュメンタリー的な印象さえ沸くような、人間味溢れる主人公像を描いている気がしました。

 もちろん、最高に面白かったです!
 しかし、個人的にはタランティーノ監督といえば刺激と衝撃に富んだスプラッターや殺害シーンが好きだし期待もしてしまいます。なので、少し物足りなかったというのも正直な感想。



 でも、その「物足りなさ」すら埋めてくる!
 主演の「格好良さ」を存分に生かした映像や物語はそれだけで観ていられます。そして隠し味的に観客に植え付けるのは「シャロン・テート殺害事件」でしょう。

 眩しいハリウッドの街での輝かしい男たちの物語が展開されながらも、その背景では「事件」に向かって時間と大きな流れがそっとうごめく感覚。
そして最高潮に高まった「緊張」を受けての終盤の物語。これには手を叩いて喜びたいくらいに良く出来た、素晴らしい内容だったと思っています!

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 これも満足感に関係があるのかもしれません。

 エンドロールが短いんです。
 観た方はきっと驚くはず。

 そもそも最近の作品が異常なんです。
 それはなぜか、「CG」を多用しているから。クレジットを観ていると延々と「Computer Graphics~」が続きますからね。

 でもタランティーノ作品は総じてCGが本当に少ないんです。
 そういうところも、「本物」という意味で満足感を増大させる意味で大きな意味を持っているのだと思います!

 

 

 

 

映画を作る「映画愛」

 

 タランティーノ監督といえば「大の映画ファン」で有名で、自身の作品には数々のオマージュやリスペクト、引用やゲスト等を散りばめているのも評価されている理由の1つです。

本編映像:<ハリウッド女優シャロン・テート>編


 ただ残念ながら、私は分からず。
 映画には全く詳しくないので、それらオマージュ等には気づきようがありません。過去の監督作品を観てもそうなので、仕方ないです……。(まぁそもそも「分かる人だけ楽しめ」ってのがオマージュですし)

 ただ、「ブルース・リー」だけは分かった!───まぁ予告編にもガッツリ映っているように普通に本編内に登場するので、分からない方がヤバいんでしょうけどね(笑)

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 ブラピとディカプリオを称賛しまくりましたが、他の俳優もやっぱり超一級品ばりに凄いです! 美しい見た目に格好いい演技、役にハマった雰囲気等々、本当に凄いと思います!

 彼らを映し出す映像も綺麗でした!
 昼間のハリウッドの活気ある空気感、夜のネオン輝くLAの街、白黒の西部劇にマンソン・ファミリーの住む砂埃の土地と──とパッと雰囲気が伝わってくる感じ!

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 音楽も、有名な楽曲を沢山使用しているのでしょうね。
 私は洋楽にも疎いですが、劇中のBGMに加えて、ラジオから流れる音楽とか歌とかも当時を代表する音楽なんでしょうね~。

 実際に、耳触りが最高でノリノリで超好きでした!

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 


 

 

 

映画の感想
※ネタバレあり

 

ネタバレあり感想

 

 一

 

 

 

 

お待ちかねタランティーノ劇場

 

 1番最初に、ラストの感想を書きます。
 だって、あのシーンが1番好きだったから!!!

 散々ずっと会話劇を観てきて、正直飽き飽きしてきた終盤。お尻も痛くなってきたところで、待っていましたとタランティーノ劇場をブチかましてきました!
 もう、手を叩いて喜びたかったし、叫び声を挙げて応援したかった!(笑) ここまでためたエネルギーが一気に放出されるようで、とにかく最高のスカッとするラスト!



 1969年8月9日の晩。
 「シャロン・テート事件」が発生する時間までカウントダウンのようにタイムラインが表示され、一体どうなるのかと緊張がどんどん溜まっていきました。

 そして、マンソン・ファミリーが来訪。
 最初はリック自身に追い返されて、その時点で半ば拍子抜け感はあったものの一体どうなるのかと先行きを見守る展開。

 そして、「TVや映画で殺人を演じる俳優を逆に殺そう」という提案にファミリーが乗り、銃とナイフで武装してリック邸を襲撃します。
 この時点で「シャロン・テート死亡」の筋書きが無くなったので、安堵というか少しがっかりというか。



 でも、そこからが本番!
 LSDでハイになったクリフと彼の愛犬がファミリー3人の相手をする──というか一方的に攻撃していましたwww

 犬の容赦ない噛み付きに股間を食いちぎられた自称悪魔野郎は痛そうだし、青白女は引きずられて可哀相……。赤毛女は暖炉に電話に散々ぶつけられて殴られて残虐。

 これを待っていた!
残虐なシーンであるにも関わらず、私は満面の笑みでスクリーンに釘付け! 会場内からも歓喜の笑い声が聞こえるほどで、最高のラストでした!




 しかも、それで終わらない!
 青白女が狂気的に叫びながら外に飛び出し、プールにいるリックと鉢合わせ。その時のリックの驚いた表情と言ったら、思い出すだけで笑えます(笑)

 その後の展開が神!
驚くばかりでないリック。倉庫に向かった時点で察した観客から笑い声が漏れ、「“あの”火炎放射器」を手にしたリックの姿を見れば大興奮!

こんな最高のハッピーエンドを超える作品はないでしょう(笑)

 

 

 

 

ディカプリオの演技が凄い

 

 レオナルド・ディカプリオの演技が本当に凄かったです……!!
 特に、中盤?後半?で見せた西部劇での姿が格好良かったです!

 映画の中での演技、劇中劇という状況だから、あえて大袈裟な表現をしたのかもしれませんが、彼の迫真の演技は本当に凄かったです!



 落ちこぼれという現実を前に酒浸りになり、翌日の本番でセリフ忘れをやらかすリック。失敗は許されないし、自身のプライドが許さない、そんな状況。

 「俺はリック・ダルトン様だ」
そう意気込んで迎えた撮影では、まるで別人のようでした!


 幼い女の子を人質にし、恐喝と交渉をするリックの演技は、迫真というか迫力が物凄くてヤバかったです。

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 あとはまぁ、「ギャップ」でしょうね。
 別に萌えているわけではないですが。

 普段の「俳優」としてのニックと、演劇中の「悪役」としてのニックはまったく別人で、そこに《役者》としての気概を強く感じました。

 

 

 

 

現代版の西部劇として

 

 上で大雑把に書いたように、本作は「現代版の西部劇」だと思います。

 ただこれは、完全にタランティーノ監督の思惑にどっぷりとハマっている気もしますけどね(笑)
 そもそも本作の中で「西部劇」が上映されたり、西部劇の魅力が何たるかを観客に教えるように描いているので、ミスリード……というかリードが上手いのだと思います。

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 西部劇の仕事の昼休み、女の子と話す場面。

 西部ものの小説を読んでいるリックが、その内容を少女に話す中で、馬飼いが落ちぶれていく過渡期に差し掛かった場面を話ながら涙を流すシーン。

あそこで「俳優としてのリック」自身を重ね合わせているのは明らかで、それが「現代版の西部劇」を象徴しているように感じました。
つまり、監督自身が「これは西部の開拓者とハリウッドの俳優を重ねているんだ」と直接的に語っているように感じました。



 もう一箇所、印象的だったのはラスト。
 マンソン・ファミリーがリック邸を襲撃するところ。

 あの一連の場面も、「悪党の登場」を足元から徐々に映したり、背中を映してから顔を映したり、決め台詞や自分自身の紹介から入ったりと、西部劇風の演出が多かったのではないかな、と思いました。

 

 

 

 

シャロン・テート事件

 

 事件の扱いはどうでしたか?
 個人的には、もう少し詳しく史実の事件を紹介しても良いのかな、と思いました。
 米国人にとっては有名な話なのかもしれませんが、我々日本人にとっては知らない人も多いのではないでしょうか?
 私自身も、2018年に訪れた「シリアルキラー展」という展覧会でチャールズ・マンソンという狂人を初めて知りましたし。



 そもそもこの映画は事件を知らないと楽しめません。

 特に後半の「1969年8月9日」のタイムラインとかは、事件を知っているからこそスリルや緊張を味わうことが出来るのであって、知らなければただの「フィクション」としか受け取れません。

 なので、エンディングで史実を紹介するとか、宣伝や予告編で事件の概要を紹介したりすれば、より楽しめる観客も多いのではないでしょうか?
 タランティーノ監督の作風を知っていれば予測できますが、予告編とかは完全に「事件」を隠した詐欺的な映像ですし(笑)



 あと、日本のキャッチコピーは「死ね」と思います。

 なんですか、
【ラスト13分。タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす】
って。

 完全に「シャロン・テートは助かるぞ」とネタバレしているようなものだし、勘の鋭い人なら「あぁ主役の2人が倒すのかな?」くらいまで想像できます。

 タランティーノ作品は、ラストの「どんでん返し」が1番楽しいのに、それを奪った宣伝担当だか宣伝会社はマジで許せないです。

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 本作は最高の映画でした!

 タランティーノ監督の他の映画としては、個人的には前作『ヘイトフル・エイト』を観ていただきたいです!

 雪山に閉じこめられたガンマンたちの殺人・謎解きミステリーで、長尺を活かした会話劇と物語進行、そしてラストの「どんでん返し」が最高です!

ヘイトフル・エイト 本予告

 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!