メモスト

映画・アニメ・美術展などを中心に感想を書いています!

『映画』や『アニメ』、『読書』や『美術館』などの思い出を残すために始めたブログです。完全に個人用なので読みにくかったらスイマセン!

【美術展】『ミラクル エッシャー展』───不思議で空想と現実の狭間の“だまし絵”の面白さ!

 

 

サイトを移転しました。

約3秒後に自動的にリダイレクトします。

 

 

 

 

 

 

 

上野の森美術館での『ミラクエッシャー展』の感想です。

2018年6月15日鑑賞

 


【一言】

緻密かつ独創的で、錯視と幻想の世界を版画で描き出したエッシャーをめぐる美術展。

整然たる秩序、反復と循環、反射と透過。 幾何学的かつ生物的な作品に感じるのは、自然界の法則に似た“安定”。

写実的だからこそ、言葉を排して、純粋に“視覚”だけで楽しめる!

 

 

【目次】

 

 

 

美術展概要

 

「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」で知られる20世紀を代表する奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャ-(1898-1972)。

コンピュータのない時代に「版画」で作られた緻密かつ独創的で"ミラクル"な作品は、数学者や建築家といった幅広い専門家やクリエイターに影響を与え、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

生誕120年を記念し開催する本展では、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から選りすぐりの約150点を日本初公開。実際にありそうで現実には存在し得ない《相対性》など代表作のほか、初期の作品や木版、直筆のドローイングなどから、エッシャーが唯一無二と評される作品を生み出す過程を、【8つのキーワード】を通じて紐解いていきます。

デジタル時代の今だからこそ、「版画」にこだわり続けたエッシャーの偉業を再認識できる貴重な機会となることでしょう。

(公式サイトより)

ラクエッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵
・会場:上野の森美術館
・会期:2018年6月6日(水)~7月29日(日)
・主催:イスラエル博物館、産経新聞社、フジテレビジョン上野の森美術館
公式サイト

紹介PR動画

 

 

 

 

美術展感想

 

 エッシャーの作品は大好きです!
 まぁ、正直に言うと有名な作品しかしらないんですけど、あの空想と現実が混じったような錯覚と錯視の世界観が大好きで、今回はこの美術展、個展、回顧展に行くことが出来て本当に良かったです!

 

 

 展示されていた作品はどれもが本当に面白かったです!!
 特定の画家の回顧展って、特に初期の頃の作品は作風が違ったりして“つまらない”事が多いのですが、エッシャーの場合は、展示されていた作品は基本的に大きく変わること無く、「版画」「写実的」「錯視と幾何学」というような部分にフォーカスしていて、見ていて楽しかったです。

 

 

 有名な作品がたくさん展示してあったのも嬉しかたです!
 映画『ナイトミュージアム』に登場した「相対性」や、ありえない建築である「物見の塔」、パターンの変化が面白い「昼と夜」など。

 そして、私が一番好きなのが「滝」です。
 なんというか、ひと目見たときからこの絵がお気に入りなんです。すごく綺麗で、なんの違和感もないのに、滝から落ちた水がいつの間にか気がついたら頂上に戻っているという不思議さが大好きです。

 

 

 今回、展覧会として色々と解説を読みました。
 まず、エッシャーは「解説や事前知識を持って絵を見てほしくない」とか「作品に意味を持たせたくない」と考えていたそう。だからなのか、今回の展示では作品の解説が少ないように感じました。

 それから、「特定のテーマ」をずっと作品に込めていると知りました。誰が見ても面白い作品が多いわけですが、その作品の中にはなにかテーマというかモティーフのようなものが必ず込められています。

 キーワードとして今回、その作品に込められたモティーフを知ることが出来、作品の見たたが変わりそうです。「ただ不思議・面白い」だけではなく、計算された面白さと緻密な不思議さがあったんだな~と、作品に対する意識が変わりそうです。 

 

 

 エッシャーの作品は多くが版画なわけですが、本物を見てみて、その細かさ・丁寧さに驚きました。草木とか建物の細部まで細かくリアルに描いていました。
 だからこそ、あの不思議な絵や建造物も本物にみえたし、だからこそ違和感とは違う不思議さがあったのかな~と。

 

 

 今回の音声ガイドはバカリズムさんでした。
 あまり期待していませんでしたが、ちょいちょいうネタ?を挟んできて、個人的には面白くて好きでした(笑) あと、気取らないというか、我々一般鑑賞者に近い感じでのガイドだったので、印象も良かったです。



 また、今回の美術展のテーマソングが、サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』でした。
 エッシャーがバッハの曲を聴きながら制作したからだそう。音声ガイドの機器でこの曲を聞くことが出来ましたが、テンポ感とか良くて好きでした!
サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』

 

 

 いつも美術展に行くと、お土産にはポストカードを1枚だけ買うことにしています。
 今回は、迷わず、一番好きなエッシャーの『滝』を買いました!

 

 

 

 

 

展示作品紹介

 

 展示されていた作品の中で、個人的に印象に残ったものを中心に紹介していきます。
 
 ・各作品の番号は「作品リスト」の番号です。
 ・掲載画像は、エッシャー氏の公式サイトから引用しています。

 

 

 作品の紹介に入る前に、公式ツイッターの情報を何ツイートか載せておきます。

 

 

1. 科学

 

エッシャーの版画では、特定のモティーフが反復しながら循環したり、ときにタイル状に埋め尽されるなど、幾何学的な独自の表現が用いられています。エッシャーはこれらの表現を生み出すために、同時代の「科学」から着想を受け、独自の数学的な理論を発展させました。

この章では、エッシャー版画に現れるさまざまな幾何学的表現を紹介します。

(公式サイトより)

 

1
作品名:貝殻
作品英題:Sea Shell
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

 解説には「忠実な模写ではなく、モノクロームコントラストがはっきりしたメスキータ風の版画」とありました。
 描かれているのはただの貝殻ですが、その白黒の渦巻模様には、後半に現れる「循環」にも似た部分が感じられました。

 

3
作品名:バルコニー
作品英題:Balcony
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  マルタ島の風景を描いたものだそうです。なんでしょう、魚眼レンズで覗いたような感じがして、歪んでいるけど“気持ち悪い歪み”じゃないのが好きです。
 解説に、何度も図面上に計算を重ねて準備したとありました。

 

4
作品名:画廊
作品英題:Gallery
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  「この仮想空間は、複数の消失点によって相対的に構成された“ありえない空間”」であると解説が。
  一見すると長く続く画廊ですが、画面上部の人面鳥は上から眺めて、下部の人面鳥は下から見上げるように描かれていて、画廊の伸びる方向が上下のどちらなのか混乱します......。左右の人面鳥とランプの鏡のように見えて、実際には左右(?)も逆ですし。

 

6
作品名:宿命(逆さまの世界)
作品英題:Predestination (Topsy-Tuvy World)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

 タイトルと絵の内容が見事に一致していると思いました。
 鳥が魚に食べられるという宿命はこの円環のなかでは逃れることは出来ず。さらに、魚が鳥を捕食するというのは逆転の世界だと思います。

 

8
作品名:螺旋
作品英題:Spirals
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  どこかバイオチックな格子が刻まれた立体的な螺旋模様。螺旋を巻いた筋(?)が輪の中へ入り込み、そこでも螺旋を作るという......

 

9
作品名:対照(秩序と混沌)
作品英題:Contrast (Order and Chaos)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

 「一分の隙もなく秩序だった美しい星型十二面体がシャボン玉のような透明な球体と合体し、その周りを無用なものの集合で囲った」とエッシャー自身の言葉が。
 とにかく中心の星型十二面体の美しさ、そしてシャボン玉の透明感に驚くばかりです。「聖域」というか、崇高な印象を感じるシャボン球の内側とは対照的に、周囲の俗世感がごちゃごちゃです。

 

10
作品名:
作品英題:Stars
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  星。先程の「星型十二面体」同様に、調和のとれたような、調律のとれたような星型の図形が本当に美しいです!......このカメレオン的な動物の存在が謎ですが......

 

11
作品名:二重の惑星
作品英題:Double Planetoid (Double Planet)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  2つの惑星──文明が進化した都市惑星と、荒野むき出しの自然惑星の2つが重なり合ったような作品。でも、完全に融合しているというよりは、お互いをうまく避けているような感じがする部分が好きです。

 

14
作品名:同心円状の球面片
作品英題:Concentric Rinds
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

 映画に出てきそうな、魔術師とか錬金術師の部屋に飾ってある立体宇宙模型図的な、壮大さというか複雑さを感じました。中心が光ってて、そのまわりを幾重にも囲む輪。原子モデルのような、太陽系モデルにような、そんなものをイメージしました。

 

15
作品名:四面体の小惑星
作品英題:Tetrahedral Planetoid (Tetrahedral Planet)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  建物がピラミッド状に積み重なって、さらに大きな円形状の構造物もあって、その上で四面体という形に収めているのが凄いです。
 どこか、『スーパーマリオギャラクシー』に登場しそうな惑星です(笑)

 

 

 

2. 聖書

 

この章では、若い頃エッシャーが描いたキリスト教主題の版画を取り上げます。旧約聖書創世記を扱った連作には、19世紀後半から20世紀初頭にヨーロッパで流行したアール・デコ様式からの影響を見ることができます。

(公式サイトより)

 

 

21
作品名:小鳥に説教する聖フランチェスコ
作品英題:St. Francis (Preaching to the Birds)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

 普通の宗教画よりもリアルというか、白黒だけだからか印象が違います。鳥の羽根とか、聖フランチェスコのシワとかが本当に細かくて驚きました。
 下のトキ?サギ?のようなくちばしが長い鳥、光輪がありますが神聖な鳥なのでしょうか?

  

※以下の23~27のまでの作品は連作で、聖書の創世記冒頭「天地創造」を描いた連作です。(ただし、本展には四日目が未展示でした)

23
作品名:天地創造の一日目
作品英題:The First Day of Creation
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  天地創造の一日目に神が作ったのは宇宙を作って光と闇を生み出し、昼と夜を作りました。
 この絵では鳥が描かれていて違和感ですが、確か主の化身を鳥(種は忘れた)として描くこともあったような。
 左下の球体、なんだか精子卵子みたいだな~と。

 

24~26
作品名:天地創造の二日目/三日目/五日目
作品英題:The Second, Third, Fifth Day of Creation
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像なし

 

27
作品名:天地創造の六日目
作品英題:The Sixth Day of Creation
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  六日目、神は獣と人間を創りました。個人的な印象ですが、『六日目』に限らず『二日目』から描かれる植物や動物が西洋絵画と違ってアラビアチックな植物に感じるのは気のせいでしょうか......?

 

29
作品名:バベルの塔
作品英題:Tower of Babel
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  旧約聖書の中でも有名な話の一つで、様々な画家がモティーフにしてきたバベルの塔。しかし、解説では「これまでは見上げる構図がほとんどだったが、エッシャーの作品は見下ろす形」と指摘が。
 見上げる構図だと人間を褒め称える印象ですが、見下げるのは神視点なのでしょうか......?
 また、「人物が白と黒で描き分けられているのは、お互いに異なる言語を話す人々であることを示している」とも解説が。

 

30
作品名:「地獄」(ヒエロニムス・ボスの絵画に基づく)
作品英題:"Hell", copy after [a scene by] Hieronymus Bosch
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより( target=”_blank”作品ページ

  エッシャーもヒエロニムス・ボスのモティーフを使った絵を描いてたのかと驚き!! ボス派の作品は本当に奇妙で面白くて大好きです!

 

 

 

3. 風景

 

 エッシャー独特の、写実的かつ不可思議な印象を与えるイメージの源泉となったのは、彼の風景体験でした。1920年代からイタリア、スペイン旅行、特にアルハンブラ宮殿での幾何学な装飾模様との出会いは、後のパターン化されたモティーフ表現の原点となりました。そして地中海を描いたピクチャレスクな風景版画は、後に登場する視覚的な実験を先取りしたものとなっています。

(公式サイトより)

 

34
作品名:ローマ、ボルゲーゼの聖獣
作品英題:Rome and the Griffin of Borghese
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  ローマの風景を描いた絵、ここローマでエッシャーは妻イエッタと出会ったそう。
 音声解説では「左奥の白い建物は、町の中心、ヴェネツィア広場に面するヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の記念堂」と説明が。確かに騎馬像が小さく見えます!

 

45
作品名:ラヴェッロにある農家
作品英題:Farmhouse, Ravello
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  黒い背景の中で、真っ白な建物が浮かび上がるようで印象的でした。

 

54
作品名:夜のローマ「トラヤヌスの記念柱」
作品英題:Nocturnal Rome: Trajan's Columu
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  見事なシルエットです! タイトルが「夜のローマ」なのでこの光は月明かりか、街の明かりですよね。 ただ、教会のドームによって光が遮られているはずなのに、柱は影になっていないんですよね......。

 

58
作品名:静物と街路
作品英題:Still Lile and Street
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  机の上に広がるミニチュアのようです! 本棚と建物、そして行き交う人々は小人さんのよう!

 

 

 

4. 人物

 

 エッシャー版画に登場する人物像は、しばしば反復されるパターンのモティーフの一つとして画面に登場しますが、初期のエッシャーは、単身の人物表現にも取り組んでいます。この章で紹介する人物像の多くは、家族や近しい人々を扱っていますが、同時に自分自身の姿もさまざまな方法でモティーフとしていました。

(公式サイトより)

 

63
作品名:自画像(1917)
作品英題:Self-Portrait
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  エッシャーが19歳のときの自画像です。晩年(?)の髭をはやしたエッシャーの自画像とか写真は見慣れているんですが、若い頃の彼は知りませんでした。絵のイラスト雰囲気が陰気な感じします......

 

69
作品名:自画像(1929)
作品英題:Self-Portrait
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  エッシャーが31歳の時の自画像。この彼ならよく見る彼です! めっちゃイケメンで格好いいです!

 

71
作品名:出会い
作品英題:Encounter
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  感想、「普通にキモい」ですよ(笑) 醜い妖精みたいな感じですが、個人的にはかなり好きなタイプです(笑)

 

72
作品名:婚姻の絆
作品英題:Bond of Union
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  描かれているのは、エッシャーと彼の妻イエッタ。解説では「2人の終わらない愛を帯として結びついたイメージ」にしているとありました。

 

 

 

5. 広告

 

エッシャーの造形は商業デザインにも登場します。この章では、商用として利用されたイメージとともに、エッシャーらしさが凝縮された小さなグリーティングカードもご紹介します。

(公式サイトより)

 

 この章で展示されていた作品は5つでした。
 ただ、印象的な作品が無かったので省略します。

 

 

 

6. 技法

 

 自らを「芸術家」ではなく「版画家」と考えていたエッシャーは、木版、木口木版、リトグラフ、そしてメゾティントなどさまざまな版画技法に取り組み、それらの技法を高度に発展させ、時に複数の技法を統合させながら、不可思議な世界を繊細な彫りと印刷で実現し、不可思議な版画空間を作り出しました。この章では、多種多様な作例、マテリアルとともにエッシャーの版画技法を紹介します。

(公式サイトより)

 

90
作品名:地下聖堂での礼拝
作品英題:Procession in Crypt
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより( 作品ページ

  謎多き絵です。彼らが一体的何をしているのか......? 暗く黒い地下聖堂の中で真っ白い装束に身を包んだ人々が不気味です......。近くで見ると、彼らが持つ蝋燭の明かりが白く細かい線で描かれていて、凄かったです。

 

91
作品名:空中の城
作品英題:Castle in the Air
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  エッシャー風の「ラピュタ」ですかね。ただ、エッシャーの描くお城はやはりどこか規則だっているような。水面に映る姿と上下合わせてみると、これまた“結晶体”に似た様相を呈しそうだと思いました。

 

92
作品名:水没した聖堂
作品英題:La Cathédrale engloutie (The Drowned Cathedral)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  とにかく水の波紋と光が綺麗です!
 そおして、直線的に伸びる聖堂とは対象的に、曲線的に広がる波紋とのコントラストが綺麗です!

 

108
作品名:しずく
作品英題:Drop (Dewdrop)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  葉っぱの葉脈とか、雫の質感とかが本当に細かくて綺麗でした! よく「フラクタル構造」なんて言いいますが、まさにそれに似たものなのかな~と。

 

110
作品名:扁形動物
作品英題:Flatworms
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  プラナリアとかサナダムシとかですかね。確かに気持ち悪いんですけど、現代のキャラクター的な部分があって、どこか憎めないというか(笑)

 

 

 

7. 反射

 

 エッシャーの作り出す不可思議な世界の特徴の一つが、「鏡面」のイメージです。鏡像を用いた絵画は、ヨーロッパでは近代以前から数多く描かれました。エッシャーもまた、現実世界にあるモティーフ/人物像と、仮想世界としての鏡像の共存するイメージを描くことに夢中になっていたのです。

(公式サイトより)

 

117
作品名:鏡のある静物
作品英題:Still Live with Spherical Mirror
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  鏡が描かれたこの静物画。室内かと思いきや、鏡に写っている風景は外のもの。それに、蝋燭とかが写り込んでいないんのが違和感につながっているんですかね?

 

118
作品名:球面鏡のある静物
作品英題:Still Life with Spherical Mirror
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより( 作品ページ

  4番の作品に続いて登場したこの人面鳥、ペルシア神話の「シームルグ」というそう。ただの置物なのに、球面鏡に映るエッシャーをじっと見つめているかのような不気味さがあります......

 

 

8. 錯視

 

 エッシャー芸術を代表する要素が、実現不可能な建築表現や、永遠に変化し続けるパターンを描いたイメージなどの「ありえない世界」です。この独創的な表現は、当時の数学者が発表した不可能な図形に着想を得たものもあり、正則分割を用いた循環する表現とともに、エッシャーが長年にわたり独自発展させた理論が形になったものです。

(公式サイトより)

 

126
作品名:爬虫類
作品英題:Reptiles
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  平面に描かれたトカゲが組木細工のようにハマっているだけでも凄いのに、それが神から抜け出して動き回り、また平面に戻っていくから凄い

 

128
作品名:発展Ⅱ
作品英題:Development Ⅱ
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  パズルみたいなこの作品、エッシャーは「平面の正則分割」ということを重視していたそう。そして、ここには若き頃旅行中に目にしたスペインのアルハンブラ宮殿のモザイク模様に影響を受けたそう。

 

129
作品名:言葉(地球、空、水)
作品英題:Verbum (Earth, Sky and Water)
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  中心の輝く部分にはタイトルの『Verbum』と書き込まれていました。まるで「世界の中心には言葉がある」と言っているように感じました。
 モザイクタイルに描かれているのは蛙・魚・鳥ですかね。六角形の角隅に描かれた、それぞれを象徴するような絵がとても良かったでう。

 

133
作品名:昼と夜
作品英題:Day and Night
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  これは随分と有名な作品ですよね! 「昼と夜」、繰り返されながらも相対する2つを見事に繋げていると思います!

 

134
作品名:メタモルフォーゼⅠ
作品英題:Metamorphosis Ⅰ
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  左側の建物群から、右側の中国風人形へ。連続して変化していく中で、全く関係ないものに変えていくって凄いと思います。

 

136
作品名:マジック・ミラー
作品英題:Magic Mirror
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  題名は「マジックミラー」。鏡に写った絵が立ち上がり、動き出しています。確かに、「魔法の鏡」ですよね。これ、個人的に好きです!

 

141
作品名:でんぐりでんぐり
作品英題:Curl-up
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  解説には「エッシャーが生み出した架空の存在。《階段の家》に住み着いた六本足の生き物」とありました。『階段の家』とは次(142番)の作品のこと。背後にびっしりと書かれているのは、この生き物の詳しい生態なんだそう。
 芋虫みたいなフォルム、飛び出した目、六本の足と気持ち悪いけど、どこか愛らしいんですよね......。

全部訳が掲載されていました!

 

 

142
作品名:階段の家
作品英題:House of Stairs
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  先程の「でんぐりでんぐり」が住み着いた不思議な空間。
 解説では「画面上部と中央下部の2ヶ所の消失点が設定された空間」とありました。正直、この部屋には入りたくない......。

 

143
作品名:描く手
作品英題:Drawing Hands
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  この作品も色々なところで目にします。
 解説では「我々は“だまし絵”と呼ぶけれど、これもエッシャーらしい循環的な表現」だそう。

 

145
作品名:相対性
作品英題:Relativity
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  「この世界では、人々は様々な方向の重力に隷属している。3つの重力、3つの世界」と解説に。天井が床に、床が壁に......不思議な世界観です。人々が人形のように無性格に描かれているのが、この絵の不思議さを増しているように感じました。
 この絵は、『ナイトミュージアム』にも登場しました!

 

146
作品名:凹凸
作品英題:Convex and Concave
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  影の方向で凹凸が変わるのは面白い! 壁なのか床なのか、階段も登り方向なのか下り方向なのか......。見つめるほどに不思議度UPな作品です!

 

147
作品名:ベルヴェデーレ(物見の塔)
作品英題:Belvedere
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  この作品も大好きな作品です!
 一見するとなんの変哲もないように見えて、よく見ると建物の方向が変なんです。一階は奥に張り出しているのに、二階は横方向に伸びています。一致するはずはないのに、柱は見事に一致して......。
 この建物、そもそもどうやって描くんでしょうか....?

 

149
作品名:上昇と下降
作品英題:Ascending and Descending
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  この絵も有名ですね~。解説でも「エッシャーを代表する作品」とありましたし、このイメージは映画『インセプション』にも登場します。
 建物の屋上を循環する人々、登っているのか、降りているのか......悩みます、目の錯覚です(笑)

 

150
作品名:
作品英題:Waterfall
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  エッシャーさんの作品のなかで一番好きな作品です!
 エッシャーの何もかもが詰まった最高傑作だと思います!
 まず、「錯視」としての建物の構造。描かれているのは水の「循環」。柱の上には完璧に整えられた図形が配置されています。さらに、背景は旅行中に見た段々畑の風景なんだそう。
 “エッシャー”を全部詰め込んだ作品です!!!!!

 

 

Epilogue.循環する世界

 

  エッシャーが1939-40年に生み出した大作《メタモルフォーゼⅡ》。文字から始まり、様々な形態が変容しながら循環し続け、やがて最初の文字へと戻るこの表現は、エッシャー芸術の極点を示しています。

(公式サイトより)

 

152
作品名:メタモルフォーゼ Ⅱ
作品英題:Metamorphosis Ⅱ
作 者:マウリッツ・エッシャー/Maurits Cornelis Escher
※画像はエッシャー公式サイトより(作品ページ

  4mにも及ぶ大作。「メタモルフォーゼ」とは「姿を変える」という意だそう。
 音声解説では「左端から、言葉がクロスワードのように組み合わさり形を変えていく様子は『始めに言葉あり』とでも言うよう。そして、終わりも言葉で締められており、無限に繰り返される『言葉の永久運動』」と言っていました。

 エッシャー自身の言葉として「閉じられた形に私が命を吹き込み、初めて魅力的なものになる」と紹介されていました。
※「 作品ページ」に拡大版の大きいものが掲載されています。

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!