『映画』や『アニメ』、『読書』や『旅行記』などの思い出を残すために、書き出したブログです。 私個人の目線で目線で書いているので、読みづらかったらごめんなさい!!読んでいただけると嬉しいです!!

【映画】メッセージ

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2017年5月19日
メッセージ
(原題:Arrival)



『ある日突然、巨大飛行体が地球に。その目的は──不明』


【評価:4.8/5.0】


【一言】

息ができないほどに真剣で、呼吸が止まるほど緊迫。SF映画,コンタクト映画として素晴らしく完成されていた作品。

 

 目次

 




【STORY】


 突如として地球に出現した巨大浮遊体。

 言語学者のルイーズと物理学者のイアンは浮遊体の解明の為に現地に設置された対策基地に招集された。

 浮遊体の目的は人類との戦争か、友好か?
 その目的を確かめるべく、エイリアンとのコンタクトが始まる──。

予告動画








【詳細】


監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作:FilmNation Entertainment
原作:テッド・チャン『あなたの人生の物語』
キャスト:エイミー・アダムス,ジェレミー・レナー and more.
上映時間:116分
日本公開:2017年5月19日
配給:ソニー・ピクチャーズ

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【感想】

〈感想外観〉


 状況も設定も、内容も展開も、緊張も緊迫も、台詞も言語も、映像も音楽も、思考も行動も全てが『完璧』。
 息ができないほどの緊迫と、息が詰まるほどの緊張が恐ろしいほどに襲って来ました。“臨場感”とは違う、“現実感”が凄まじいです。


 もう、「凄い作品を見ちゃったな〜」という感じです。ただのSF映画ではない、エイリアンとのコンタクト(=接触)映画としては非常に面白く、興味深くて完成されたと思いました。



 映画全編を通して漂う“緊張感”が凄まじいです。それから私は“閉塞感”と“圧迫感”のようなものも感じました。集中しすぎて、緊張しすぎて息が詰まりそうでした。
 エイリアン接触映画として臨場感とそれを超える現実感を併せた傑作だと思います。



 内容は人によるかもしれません。細かい映画でありながら全体(特に後半)を見たときに曖昧で概念的な部分があります。
 自分は結構スッキリしました。感想中に「完璧」とか「完成」って単語があるように“分かったつもり”ではあるかもしれませんが、納得して理解できました。


 主演二人の演技が素晴らしかったです。『宇宙人とのコンタクト』という情報が無い中で、調査し、研究し、解析して意思疎通を試みようとする言語学者,物理学者の恐怖、重圧、理解できない事への苦悩を見事に演じていました。
 その迫真の演技が観客に伝わる緊張感を増大させていました。



 今作は情報と設定の正確性、詳細性が素晴らしかったです。他のSF映画では曖昧に描く部分をきちんと描いたり、ちゃんと視覚化したりしていました。「未知さ」と「美しさ」がありました。
 ここが今までの映画とは大きく違う部分だと感じましたし、面白くも、そして少し恐怖も感じました。



 音楽……いや、『音』がとても良くできていました。観客の不安と恐怖を煽るような、不快感を与えすらしそうな『音』が映画本編ととてもあっていました。
 映像から受け取った印象は『無感情』です。淡々と冷淡な映像と感じました。光と影の使い分けが綺麗でした。



  本作は意思疎通をするにあたってその媒体となる言葉や文化が描かれています。
 別の映画とその原作で呼んだ『言語のもつ力』や『文化の複雑性』みたいな事が頭の中に残っていたのでそれが本作の理解の手助けになった気がします。


 原作の題名は『あなたの人生の物語』です。
 

 

 

 

〈作品全体の雰囲気〉


 最初に全部書ききった気がしますが………とにかく面白かったです。何もかもが良い雰囲気を醸し出すために上手く回っていた気がします。


 細かすぎず粗すぎない設定、順をきちんと追った展開、不安と恐怖が混じった緊張感、巧みな映像と心理的作用ありの音楽。
 小さな要素を見事に混じり合わせて作品としての雰囲気を完璧に創り出していたと思います。


 『スクリーンに釘付けになる現実感』がとても良かったです。もちろん内容が面白いという部分も少なからずありますが、それ以上に予断を許さない状況と少しずつ明らかになる真実が興味深いという部分が大きいです。
 そして緊迫感,閉塞感……息が詰り、息が出来なくなる程に緊張して集中してました。



 最初から見ていて、真実を知ったときの驚きがなかなかでした。しかしそれも突飛し過ぎておらず、理解できたのが良かったです。
 映画のテーマとしては『宇宙人コンタクト』でしょうが、全体像を見たときにもう一度見直したくなりました。

 


 

 

〈緊張感・緊迫感・閉塞感〉


 気がつけば映画の途中で深呼吸をしたり、息が止まっていたり。上映後に大きなため息をついたのを覚えています。

 良作では「息をするのがもったいない」と言いますが、今作では『息をするのを忘れる』に近いと感じました。


 特に印象的だったのは防護服を着た場面。『未知に対する不安』と『防護服の閉塞感』が相まって呼吸が息苦しく感じました。
 この場面、主演女優のエイミー・アダムスがその感覚を倍増させるような演技をしてくれるんです!



 それからコンタクトを取る場面。最初は『接触を図る』と言う事自体に驚き。以降は接触方法や接触によって判明する事実など緊張を途切らせない造りでした。

 


 

〈内容〉


 かなり個人差がでる作品だと思います。宇宙人との接触ということで、少なからず概念的な,哲学的な,倫理的な部分が出てくるのは必然的で仕方ないと思います。
 

 ただ、今作はその部分が分かりやすかったというか、とても直線的に感じました。もちろん疑問な点は残るものの、『理解できる域』での難しさだった気がします。


 『話を展開させて昇華させていく』というより『一歩ずつ進んでいく』という印象を受けました。だからなのか、一段階ずつ納得して進めたと思います。

 でも、構成的に分かりにくい部分があったのも事実です。シーンの挿入のしたかとか。でも、それも最後には解決するんですがね。観ている最中は「ん?」となりました。

 



〈主演の演技〉


 主演の2人、特にヒロインを演じたエイミー・アダムスが良かったです!言語学者になりきっていました。
 人類の目的を認識し、その為にどんなプロセスを踏んで、今何をしなければならないのかを冷静に判断して実行していける、興味による衝動に駆られない冷静な研究者でした。



 また、一部上述しましたが防護服の演技や、エイリアンと接触した際に生じたであろう恐怖と使命が混ざった演技など観客に現場のリアリティを伝える演技でした。

 




〈音楽と映像〉


 この2点がとても印象的でした。宇宙らしさ、未知の雰囲気を醸し出すというよりは、観客に対して心理的に働きかけるようなものに感じました。


 まず音楽。一番最初の部分で『≠音楽、=音』と書きましたが結構いい表現だと我ながら気に入っています(笑)
 「宇宙人×音」といえば『未知との遭遇』が思い出されるかもしれませんが、今作での役割はあくまでBGMです。
 しかし、そのBGMの効果が絶大です。観客の不安感を煽り、不快感を感じさせるようなこの音は作品と非常にマッチして世界観の雰囲気を出す役割を存分に背負っていると感じました。
 (エンドロール・テーマ)




 そして映像。光と影を巧みに利用していました。『エイリアンとの接触』という特異なケースだということを意識させるような、(音楽と同じく)不安感を煽るような撮り方でした。






〈設定と情報〉


 SFエイリアン映画で欠かせないのは設定とその情報,状況をいかに組み立て、映像にして表現するかだと思います。

・エイリアンの外見は?撮す?ぼかす?
・エイリアンの目的は?攻撃性はある?
・UFOの形や動き方は?そもそも宇宙船はある?
・地球の言語を理解する?話す?
・地球人の反応は?攻撃?対話?
・技術の差は?概念や思考法の違いは?


・ラストはどうする?結末は?
・地球、エイリアンの運命は?
・両者の接触による影響は?

 とSFエイリアン映画ではお馴染の設定だと思います。そして今作はこれらの大体について描いていて、それも詳細なんです。(例として挙げたので当てはまらない点もありますし、これ以外でもあります)


 常識を超える題材の場合、いかに情報を詳細に描くかで作品のリアリティは決定すると思います。そして、今回はそれが成功していたと思います。 特に『ある部分』においてとても具体的で良かったです(ネタバレになるので曖昧に。)



 そして、詳細なぶん、観客もリアルに想像でき、しかし頭の中で話の解釈を広げながらも大きく逸脱する事がないので映画の描きたい事をダイレクトに受け取れる野だと思いました。(これは個人差あり。場面にもよるかも……)


 展開も、飛ばすべき部分は飛ばし、端折る部分は端折って『必要な部分をしっかり描く』という事が無駄なく出来ていたと感じました。物語がスリムで直線的だったんです。

 




〈作品の基礎知識として〉


 今作では歴史が上手く使われていると思いました。 大航海時代に先住民を虐殺し支配した列強とエイリアンを重ねたり、文化や技術を伝える訪問者と捉えたり。
 これらの解釈自体は他作品でもありますが、地球の歴史と絡めて説明,主張することで説得力が増しました。



  それから、やはり知識の有無はこの手の作品を理解するのに必須なようです。概念や哲学的な思考を理解する上で知識は必要不可欠です。


  そして、今作の専門知識について自分は他のフィクション作品から学んでいた(?)ので、随分と理解が楽でした。 具体的に分野や知識を明かすとネタバレになるので、そのフィクション作品の題名だけ──『虐殺器官』です。
 

 



〈おわりに〉


 宇宙人と接触する系の映画ではかなり面白かっし、詳細な部分まで練られていると思いました。


  細かいからこそ観客が楽しめるし、その為に雰囲気造りもしっかりと怠らずに行っていた印象です。


  ただ、見る人によって意見や判断が分かれる作品だとも思いました。モヤモヤか、スッキリかで大きく分かれると思います。
 自分はスッキリでした!

 




 

【 以降ネタバレあり 】

 





〈内容〉


 最初、観ているうちは流れが分からずに混乱しましたが、最後まで観て結末を知ると納得します。
 原作の題材が『あなたの人生の物語』ですが、冒頭から終始その物語だっただとラストで理解しました。

 

──冒頭場面──

 ここが現実ですね。娘の死を目の当たりにて、それまでの過去を回想する

──エイリアンとの接触──

 ここは全て回想だったのですね。
 時々見えるビジョン/夢は未来だったのですね。

 最後に結果が分かったときに、冒頭からの全てが分かるっていう構成が好きでした。



 『あなたの人生の物語』と同時に『現在と未来の物語』でもありました。

 




〈冒頭〜序盤シーン〉


 まず、最初の一言で原作タイトル回収です。「これはあなたの物語なのよ」って。
 
 エイリアンとのファーストコンタクトが省略されていたというのはとても重要だと思います。ルイーズ達が基地を訪れたときには数回の接触の後だったと言う事で、描きたいであろう本編にスムーズに入れていました。
 第一回目の接触から描こうとするとそこで大きく時間が掛かってしまうため、省略したのはいい構成だと思いました。


 同じく、数回目のコンタクトである事から機器の設置や移動手段などが既に整えられている為に、そちらに時間を割かずに主人公達の心理面を細かく描くことが出来ており、そこが物語の現実感を増加させた理由の一つだと思います。






〈エイリアン〉


 まず造形です。7本足の『ヘプタポッド』の姿はまさに知的エイリアンのイメージ通り。最初は霧で隠されていましたが、後半は頭の部分まで描いていたり、死ぬという事がわかったりと曖昧ながらも細かい描写だったのが好印象です。

 それでも「ぅわ……キモい…」という思いは払拭できませんでした。特に、急に足を仕切りに押し当ててきた場面とか怖かったです〜。

 
YouTubeにアップされていた『エイリアン・シーン集』です。



 そして言語、文字。
 言語を描くというのはとても良かったです。リアリティが増したし、コミュニケーションを取れるかもしれないという希望が生まれました。他作品での電波会話や音対話とは違う知的性を感じました。
 さらに文字が美しかったです。表音文字ではなく表意文字である点がなおさら知的に感じました。





〈人類〉


 人類も捨てたものじゃないですね。特にあの、エイリアン言語を表記するプログラムは凄かったです。正直、飛躍しすぎな気もするものの、SFだし、何より魅力的でした。
 各地で共同研究ラインがきちんと繋がっているのも褒めたいです。



 ルイーズの冷静な考察と計画が凄かったです。「地球に来た目的を問う」という目標に向かうために言語分野から着実なプロセスを組み上げ、それを実行に移していく。さらに、小さな変化を見逃さず、エイリアン言語を習得してしまう。
 そんな天才ではありながら怯えたり、不安になったりと人間らしさをきちんと見せた部分がまた良かったです。


 12の地域に出現した飛行物体に対して、各国の反応がリアルで面白かったです。中国を筆頭とする国々は攻撃を決定し、早期に共同研究から手を引いた行動も納得出来ちゃいます(笑)



 


〈意見……?〉

未来のビジョンと言語
 『ルイーズが未来を見た』という事がこの映画の一番疑問で微妙な部分なのだと思います。ただ、自分は彼らの説明で意外とスッキリと受け入れられました。

 『言語によって思考は形成される』という言葉は他の作品(虐殺器官)で聞いており、その映画と小説のお陰である程度言語への理解が深まり、知識がついたのでアッサリと受け入れられたんだと思います。

 言語を変えたからと言って未来が見えるようになるとは思わないですが、何らかの影響があるのは事実だろうと思います。 私達が現実を認識しているのは言語を用いているからで、その言語が概念的なものである以上、ある程度の伸び幅はあって然るべきだと思います。

 宇宙の理として過去も未来も記録されているというような仮定ならば、言語による認識を変えればそのビジョンが見えるというのは決して飛躍しすぎた話ではないのかなぁ〜と。
 

言語という武器

 仮に『彼らが3000年後に人類の助けが必要になる』のが事実と仮定し、それの助けを守る為に地球に現れ、武器を与えたというのは悪くない設定だと思います。未来は見えるけど移動は出来ない。だから人類に干渉した。映画のラストでルイーズが人民解放軍将軍にした事と同じですよね。

 与えた武器が“言語”というのはかなりGOODだと思います。兵器的な武器を与えた場合に人類がそれを悪用するのは目に見えています。そして「人類を救う」という部分について、人類が滅びる原因は戦争によってということなのかもしれません。

 しかし言語なら、その問題は解決するかもしれません。映画でチラッと映った『ユニバーサル言語〜ヘプタポッドの言語〜』のように世界で共通の言語が出来れば戦争も減るかもしれません。言語の違いは文化と思考法の違いであり、それは意見の対立として戦争に繋がるかもしれませんから。

 それに英語は侵略者の言語である訳ですから、それを共通語とするのは相応しくないのかもしれません。しかし第三者の言語を用いている共通の理解をし、しかも未来が見えるというならば、戦争は激減するのかも……。


12の地域
 ヘプタポッドが現れた12の地域ですが選んだのかもしれませんね。大国・先進国はヘプタポッドの意志を理解するのは早いかもしれませんが、その事実や得た武器を隠蔽したり独占するかもしれない。しかし、発展途上国などにも同じ状況を作れば大国の独壇場という状況を阻止できるでしょうから。

 


 なんか、それっぽく書きましたが、結構大雑把ですよね(笑)。でも、こうやってある程度自身で考察できるくらいにはスッキリと理解できたし、直線的な内容だっただろうな〜と。

 時間があれば、ぜひ『虐殺器官』の映画を観るか、小説を読むことをおすすめします。

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