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『映画』や『アニメ』、『読書』や『美術館』などの思い出を残すために始めたブログです。完全に個人用なので読みにくかったらスイマセン!

【映画】傷物語 Ⅲ 冷血篇───激しく、悲しい始まりの物語。

 

 

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※ネタバレなし。

※画像は予告映像のキャプチャです。

2017年1月6日

 

傷物語 Ⅲ 冷血篇

 

 

 

 

【評価:4.4/5.0】

 


【一言】

鑑賞中、息を押し殺して見てた。
鑑賞後、大きな深呼吸と「凄い」って言葉しか出てこなかった。






【目次】

 

 


 

 

ストーリー

『Ⅰ 鉄血篇』
 高3になる春休み、阿良々木暦は四肢を奪われ瀕死の吸血鬼=キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードを助けたが代償として彼女の眷属に、吸血鬼になってしまう。


『Ⅱ 熱血篇』
 「三人の吸血鬼ハンターから四肢を取り返すことを条件に人間に戻す」と約束した暦は四肢をかけた決死の決闘へと身を投じていく。



『Ⅲ 冷血篇』
 三人から四肢を取り戻し、完全体に復活した伝説の吸血鬼キスショット。しかし、暦の前には受け入れがたい事実が立ちはだかるのだった。

予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:新房昭之
制作:シャフト
原作:西尾維新傷物語
上映時間:83分
日本公開:2017年1月6日
配給∶東宝映像事業部
公式サイト

 

傷物語Ⅰ鉄血篇 感想

 傷物語Ⅱ熱血篇 感想

 

 

 

 

 


 

 

感想

驚愕・感嘆・衝撃

 これは凄い。ホントに凄い。いい意味でも悪い意味でも心が揺さぶられるし、内に秘められていた想いに感動。3部を通して映画として映像化するに相応しい、素晴らしい作品でした。




 〈物語〉シリーズの始まりの物語というだけあって、この完結篇を観終わって色々な部分が繋がり、納得出来ました。これは早々にアニメ見直して、小説を読まねば。
 やっぱり映像描写が素晴らしかったです。シャフトの力、新房風潮全開の衝撃描写タップリです。バトルシーン、会話シーン等どの場面でも。




 そして「冷血篇」は色々なキャラクターの新しい側面を知る事が出来ました。キスショットの心内、羽川翼の意外性、忍野メメの信条……。




 まる一年掛けて上映された『傷物語』、本当に最高に究極に素晴らしかったです。これだけは絶対です。そしてキャストの少なさに笑わされたのもルーティン。皆さん、ぜひ見てくださいな!

 

 

 

 

 

素晴らしき映像描写と演出効果

 もう、3部観て3部とも同じ事を書いてますね(笑) でもやっぱり凄いんですよ。それに自分が“新房ワールド”が大好きなんです!



 今回はまず、グロシーンが凄かった!実は今作は「PGR12」指定を受けています。つまりグロいから12才以下は親の指導の下で鑑賞してってこと。そしてそれに恥じないグロさと残酷さでした!

 といってもそれを詳しく書くとつまらないので書きませんが。正直言ってビビりましたw(下の「ネタバレあり感想」で軽く触れます)




 そして『傷物語』を通して好きな演出が空撮風の演出です。全景を映すような場面でヘリコプターのローター音を被せるんですよ。なぜだかこの演出が好きなんです(笑)



 あとは色々な名所をこの奇々怪々な物語の舞台にしているって言うのが楽しいです。武道館の前でお喋り、駒沢オリンピック公園駒沢陸上競技場で殺し合い、決闘をした国立競技場では聖火台に火が灯ってました!そして夢の大橋で立ち話。川崎のコンビナートを背景にしたり、永田町駅エスカレーターが映ったり。知っているところが堂々と舞台だと分かって嬉しい!

 そうそう、映画最後のクレジットで協力ってとこに「山梨文化会館」ってあり、気になって調べたらなんと映画の中枢とも言える学習塾のモデルでした!!



 あ、あと劇中で〈物語〉シリーズのOP&ED(「君の知らない物語」等)を手掛けたウエダハジメさんが一枚噛んでいて嬉しかったです。

 

 

 

 

圧巻のバトルシーン

 決闘シーンの最高傑作じゃないかって思うくらいに素晴らしかったです。
 何と言ってもスピード感と緊張感が場を支配していましたね。斬って、殴って、蹴ってと大量の血を飛沫させながらの迫力あるバトルです。




 そしてその描き方もちゃんと考えられていました。カメラワークを意識するのはもちろんとして、絵が絵コンテのように雑に描かれていたりしました。それによって激しさが伝わってきました。

 

 

 

 

始まりの物語完結、全てが繋がった

 西尾維新〈物語〉シリーズは2009年のTVアニメ放送から「化物語」「偽物語」「猫物語 黒」「猫物語 白」「傾物語」「囮物語」「鬼物語」「恋物語」「花物語」「憑物語」「終物語」「暦物語」と70話以上も映像化されているのですが、その前日譚というか始まりの部分が語られた『傷物語』は2010年に制作発表があってから音沙汰なしだったんです。つまり、原作を読んでいない自分にとっては基礎部分を抜かしたまま大量の話を見ていたわけです。



 そして、ようやく公開された『傷物語』。これは本当に前日譚、エピソードZERO。上記のTVアニメを見ていて疑問に思った点や不思議だった点が一気に解決していきました。幾つか例を挙げておきます。
 ・最強にして伝説の吸血鬼の幼女化の理由
 ・『化物語』ではどうして忍が無口なのか
 ・何度も言及された「地獄の春休み」の全貌
 ・暦の忍野メメへの借金について
 ・『化物語』冒頭に挿入されたシーンの全編
 ・『鬼物語』や『終物語』での一人目の眷属について
 ・『終物語』での台詞「学校での死闘」
 ・時々姿を表したエピソードの人物像

 などなど。パッと思いついたのはこのくらいですが、深く考察すればもっと出てくるんでしょうねぇ。そして、『傷物語 Ⅱ』の副音声で言っていましたがまだまだ原作には「傷物語」に伏線を張っていて、10年越しで伏線回収してるって言うから凄すぎ、西尾維新

 

 

 

 

登場人物の新しい側面

 「Ⅲ 冷血篇」は鉄血篇や熱血篇(下手したらTVアニメ全話)よりも登場人物の本心や内面を知る事が出来ました。これも詳しく書いちゃうとアウトなのでボヤかしながら書いておきます。



 まず阿良々木暦。これは『傷物語』3部に渡ってですが弱い。TVアニメの方だとヒーローのように強くて、漫画の主人公みたいに意思の硬い人物のように感じましたが『傷物語』では普通の人間。力も心も弱いから感情も考えも揺れ動きます。それが新鮮に感じましました。(ある意味これが当たり前かもしれませんが)




 そして一番驚いたのは忍野メメ。知ったときはショックでした。TVアニメではただの怪異専門家だと思っていたら「Ⅲ 冷血篇」でその本当の姿を見せてくれました。それから彼の信条「バランスをとる」が至るところで見え隠れしてました。




 あ、羽川翼もヤバかったですね〜(ニヤニヤ)。ひたすらヤバかったですね〜(ニタニタ)
 さらに一番意外だったのはキスショット。まさかあんなだったとは………。



 

 

 

 

 

羽川翼物語

 『傷物語』で見逃せないのが羽川翼。「つばさサービス」とでも名付けそうなほどにめっちゃサービスです(笑)「鉄血篇」では風に煽られたスカートがめくれてパンツが見えて、「熱血篇」では自らスカートをたく仕上げパンツを見せたり、脱ぎたてのパンツを阿良々木暦に渡したり。



 

 そして今回「冷血篇」ではそれらを越します。思いっきり越します。フツーにエロいです(〃∇〃) いったい何分間このシーンが続くんだってくらいに無駄に長く描いてましたね(5分くらいですか?)。もう一度いいます、エロいです(笑) ここでそのシーンについて語るのはやめておきますが、予告にチラッと映ってますね。
 特報では翼の「どうか私のノーブラおっぱいをモミモミしてください」って台詞が最後に挿入されてましたし(〃∇〃)




 そして、一つ言いたい。「どうせなら映せよ」って。上に書いたシーンとは関係ないのですが、イメージ映像的な感じで羽川翼が全裸で走るシーンがあるんですよ。でもなんか違う…………そう、“B地区”が描かれていないんですよ。いや、分かりますよ、規制とかでなかなか映せないって。でも、そしたらR15制限とかでもいいから描いて欲しかったです。




 別のCGアニメ「ベルセルク」ってのでもそうでしたがたとえ全裸だったとしても“B地区”がなかったらただの肉塊なんですよね……。



 だってシャフトさんは〈物語〉シリーズで沢山やってきたじゃないですか。もはや伝説化した『憑物語』の月火ちゃんによる一発ギャグ「都条例」とか。(あれは最高傑作のギャグだった……)
 それはそれとして、翼さんおっぱいデカすぎ(笑)



 

 

 

 

 

ポスターが意味深

  今回、ポスターの絵が凄く無茶苦茶な絵に見えたんです。だって最強の吸血鬼が最高の刀を持っているのに、顔は涙を流している。とても理解し難かったのですが、映画を観たら全部わかりました。全てを一枚で表したような凄く上手い絵だなぁ〜って感心しました。




  それから、キャッチコピーの『僕はお前を、助けない』っていうのも最初はわけ分からなかったけど、映画を観終わったあとは「あ〜そういうことから」ってこれまた納得です。

 ということで、阿良々木暦の春休みを描いた『傷物語』は完結しました。この3部作は最高です。ぜひ色々な方に観てもらいたいですね。



関連で、原作小説の感想です。(ネタバレ含めて詳しく?書いています)

 



 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあり感想

 

最初から衝撃展開

 ギロチンカッターから取り戻したシーンから始まる「冷血篇」。そこでいきなり驚かされましたから。だって奪われのは四肢だけかと思っていたらなんと“心臓”まで奪われていたとは。歯科もそれを奪ったのは忍野メメ!「マジかよ……お前かよ…」って思いましたよ。

 あとで聞いたらこれも彼の信条、「バランスをとる」ってことだったらしいです。

 

 

 

 

ウエダハジメさん!

 ウエダハジメさんが絵を描けた「古傷物語」が良かったです。まず、映画で彼のイラストが見られるとは思っていませんでしたからね。
 そしてこの「古傷物語」が一人目の眷属である死屍累生死郎の事を語っていて納得というか、嬉しかったというか。

 

 

 

 

し、衝撃場面……

 衝撃を一番受けたのはキスショットのお食事シーン。アレ、ヤバくないですか?マジで怖かったですよ。


 最初はかがんでいるキスショットが見えて、近づいたら何かを喰らっている。よく見ると人型をしている。ここまでなら「あ〜、誰か一般人が犠牲になったなぁ〜」くらいだったんです。



 が、胸に掛けた十字架が見えた瞬間にゾクって寒気が……。「え……コレってあの聖職者…?」って思った瞬間、振り向いたキスショットが持っていたのはギロチンカッターの首。いや〜めっちゃ怖かったですね。しかも淡々と当たり前のように話すからまた怖い。


 さらに、羽川のことを「三つ編み眼鏡の携帯食」って言っていたのが恐怖心を増させましたね……。

 

 

 

 

 

 

エロ川さんシーンきた!

 いや〜エロかった。さすがバサ姉。そりゃ言わせる阿良々木くんも悪いけど、どんどん乗った翼さんも悪い(喜) しかも結構な覚悟をもって来たようで。



 だってなんて言ってました?「どうか私のノーブラおっぱいをモミモミしてください」に始まって詳しくは覚えていませんが随分な(エロマンガチックな)セリフを言ってましたよw そしておっぱいもエロいですねぇ〜。ってかでかいですねw いや、あれはヤバイ。




 そして、いったい何分続くんだってくらいに長かったです。他のシーンはポンポンと飛ばしたり、進んだりしているのにこのシーンを5分前後描きましたよね。80分のうちの5分って全体の6%ですよ。

 

 

 

 

 

最高のバトルシーン

 待ちに待ったバトルシーン。本当に凄かった!まずキスショットと暦が二人で本音というか、話をするシーンが格好良すぎました。

「うぬがそう言うのを期待していた」
「お前がそう言うのを期待していた」(台詞あってる?)



って言ってからバトルスタート。

その時の
「死んでくれ、我が主人!」
死ぬがよい、我が従僕!」
って超格好いいセリフ!



 いざバトルが始まったらこれまた凄い!首はバンバン飛ぶし、腕は切れるし。なんか………凄いです。

 

 

 

 

 

バトル後の、皆の想い

  キスショットが実は死ぬ気だったって事を知って驚いたのは言うまでもなく、しかもそれが暦のためだっていうのに少し感動しました。四肢を集めさせたのも人間に戻すためだってって。



 そして忍野メメを暦が大声で読んだシーンが何故か好き。そして登場した彼もしょうがないけど嫌なキャラに感じちゃいました。「君の問題だろ」とか「そんな方法はない」って冷たく切り捨てる様はTV版からは想像できないですからね。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!