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【アニメ映画】『君の膵臓をたべたい』感想:何気ない“日常”の日々で胸がいっぱいに。

 

 

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※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャです。

2018年9月1日鑑賞

君の膵臓をたべたい

 

【評価:4.8/5.0】

 
【一言】

「僕」と「キミ」が交わす、何気ない“日常”の会話がとても大切で、それだけで胸がいっぱいになった。

彼女の太陽のような笑顔が愛おしかったし、子供みたいなイタズラが好きだったし、脆い切なさが胸に残ってる。

“悲しい”とも“寂しい”とも違う、胸を締め付ける「感動」。

 
【Twitter140文字感想】

 

 


 

 

目次&ストーリー&メモを表示

 

【目次】

 

 

ストーリー

 

彼女は言った。
「君の膵臓をたべたい」

春。まだ遅咲きの桜が咲いている、4月のこと。
他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」は、病院の待合室で、一冊の文庫本を拾う。手書きの文字で『共病文庫』と題されたその本は、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。

日記の中身を目にした「僕」に、桜良は自分が膵臓の病気で余命いくばくもないことを告げる。それは、家族と医師以外には病気を隠している彼女にとってただひとり、秘密を共有する相手ができた瞬間だった。

最期の日が訪れるまで、なるべくこれまでどおりの日常生活を送りながら、やりたいことをやり、精一杯人生を楽しもうとする桜良。そんな彼女の奔放な行動に振り回され、「僕」の心は少しずつ変化していく。――それは、「僕」の春の思い出。彼女の一生の思い出。

 予告動画

 

 


 

 

作品データメモ

監督:牛嶋新一郎
制作:スタジオヴォルン
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』
原作イラスト:loundraw
主題歌: sumika「春夏秋冬」
キャスト:高杉真宙, Lynn and more.
上映時間:108分
日本公開:2018年9月1日
配給:アニプレックス
公式サイト
原作公式サイト

 

 

 


 

 

 

感想

 

感想外観

 

 原作が本屋大賞を受賞して話題になり、タイトルからずっと気になっていた本作。ただ、原作未読、実写映画(2018.9.2鑑賞)でした。

 今回、劇場アニメとなった本作を観て、心から感動しました。(原作も買っちゃいました!)



 病気で余命宣告された「彼女」と、彼女と過ごす「僕」。

 映画の多くの場面が、2人の会話で構成されています。その内容は、なんら特別でなく、至って普通の“日常”会話。

 でも、その会話がとても愛おしくて、聴いているだけで胸がいっぱいになりました。
 それも、決して「余命宣告された人との会話だから」という特別感が一切なかったのが良かったです。



 作品全体が「中性」だから、日々を描く物語が印象的だし、彼女が輝いて見えるのだと思いました。

 主人公の、「僕」と「キミ」こと彼女。
 容姿からしても、喋り方も、一人称や人の呼び方も、「僕」に関わる全てがとても中性でした。
 無個性とも違うし、目立たなくもない、まさに中性。

 そんな「僕」の目を通して映り、語られる彼女の姿は眩しいくらいに輝いていたし、淡々と重ねられる会話に心地良さを感じました。



 そんな会話、言葉、台詞、文章が重なって出来上がっているのが本作。
 言葉のキャッチボールをしていきながら人物像を描き出し、人生観や物語自体を編み上げてしまっており、本当に凄いと思いました。

 この言葉、台詞、会話、文章を文字で読みたくて、原作を買いました!
原作PV




 映画を観て抱いた感想は「感動」です。
 でも、「お涙頂戴」で泣かされた訳でもないし、「いい話だなぁ〜」と心を動かされた訳でもないです。

 切なさ、悲しさ、楽しさ、嬉しさ、色々な感情が詰まった「感動」で、心臓がバクバク鳴ったし、とても疲れました。



 言葉で形作られた本作を彩るのが、美麗な背景や風景です。
 日差しの中降り落ちる桜、寄せては返す波、夜空に咲く花火。学校も病院も、家も雨も、全てが綺麗でした。

 「余命宣告された彼女」という肩書からは、暗く重い印象を感じますが、それを吹き飛ばすくらいに明るく、元気な彼女が大好きでした。



 エンドロールで流れたsumikaの主題歌「春夏秋冬」の歌詞が本当に作品にマッチしていて素晴らしかったです!

 来場者特典は書き下ろしの短編です。せっかく原作を購入したので、原作を読んだ後に特典を読もうと思います!

 

 

 

 

 

重ねられる会話、何気ない日常

 

 本作を観てまず感じるのは、「会話が多い!」ということ。その会話を聴いていて、とても嬉しかったです。

 淡々と重ねられる会話。もしくは、元気と勢いよく投げかけられる会話。
 それらの会話は決して特別なものではないけれど、《2人だけのもの》だったから良かったです。



 「次は何をする?」とか「私のことどう思う?」とか。
 普通に交される会話だし、それは少しイレギュラーな日常の中での出来事。
 そして、その内容は他の人とは絶対に紡げない、《2人だけ》の“特別”なもの。



 会えば会うほど、言葉を交わせば交わすほど、その内容は広がるし、深く高くなっていきます。
 そんな様子を見ていて、日常会話なのに、何気ない喋り合いなのに、とても心に残ったし、聴いているだけで胸がいっぱいでした。



 それも、「死ぬ人間との会話だから」という特別感が無くて、会話そのもの、普通の内容そのものに感動したというのも良かったです。

 何気ない日常がこんなにも大切なものだと思わされたし、その何気ない日々に楽しみを見出すことの出来る彼女がとても素敵だと思いました。


Original Soundtrackスペシャル試聴ムービー

 

 

 

 

 

「中性」だからこそ

 

 もう一つ、映画を観ていて感じるのは「中性」です。
 そこには、主人公の「僕」の影響が大きいと思います。

 一人称は「僕」、彼女を呼ぶときは「キミ」。
 容姿は目立たないタイプ、喋り方は淡々としてどこか無機質。
 そんな「僕」が語る物語だから、中性に感じたのかもしれません。



 そして、「中性」だからこそ良かったです!

 まず、「彼女」がさり気なく目立つから。
 「僕」とは正反対で対照的な彼女は、明るいし元気だし可愛いし。まさに太陽のような輝きを放つ登場人物でした。

 でもそれって、「僕」の目を通して映り、語られているからじゃないかなぁ〜と思います。「僕」が語るから、より一層に光を放つのではないかなぁと。



 もう一つの「中性だからこそ」は、物語に観客が没入できるから。

 RPGゲームとか、所謂ギャルゲーのようなゲームはプレイヤーが主人公となるため、ゲーム内での主人公に感情移入したり没入出来るように「無個性」で描かれます。

 それと同じで、本作も主人公は名前も出さず「僕」だし、ヒロインの彼女は終始「キミ」と呼ばれます。

 もちろん作品自体は主人公達の物語ですが、どこかフッと移入して観ている瞬間があったと思い返します。

 

 

 

言葉で紡がれる物語

 

 この映画、もしくはこの作品は、「言葉で紡がれています。
 私は個人的にこういう作品が大好きです。主人公のモノローグで描かれたり、文学作品へのオマージュが込められてたり、綺麗な言い回しを使ったり。



 本作は、先に書いたように「会話」が重ねられます。
 そして、その会話のキャッチボールが何往復もして、何度も描かれることで段々と物語が出来上がっていくように感じました。

 登場人物の性格や考え方、好きなものや人生観などなど、色々な事が会話から浮かび上がってきます。



 なんか、現実世界で人との会話したり、友達の事を知ったりするのに似ていると思って、それだけで少しウルッとしました。

 この言葉を読みたいから、原作を買ったのです!

 

 

 

 

 

心を動かされる「感動」

 

 映画を観て、この作品を観て、感動しました!
 そして、その「感動」がまた心地良かったし、一方で疲れました。



 まず最初に言っておかなければならないのは、「無理矢理泣かせる作品ではない」という事です。

 青春映画とかだと、観客に「はい、ここは泣くシーン!」と言わんばかりの展開や描写がありますが、本作はほぼ無いです。

 むしろ、「思い思いの場面で感動してください」といってるように感じました。



 その「感動」も、ただの感動ではなかったです。

 もちろん涙が出るような感動もしましたが、切なさ、悲しさ、楽しさ、嬉しさ、怒り、空虚感、満足感、恐怖、ため息、胸のドキドキ。

 色々な感情が混ざった、とても濃い“感動”でした。
 気を許すと、フッと突然にその“感動”が襲ってきました。

 とても心地よい“感動”だったし、一方ではとても心疲れするような“感動”でもありました。

 

 

 

 

美麗な映像、輝く彼女

 

 言葉で構成された本作を、見事に綺麗な背景が彩っていました。

 最初に挙げた、日差しの中降り落ちる桜、寄せては返す波、夜空に咲く花火。学校も病院も、家や雨も。
 空気感というか、思い出の中で光る風景というか。本当に綺麗でした。と




 また、時々、不意に原作イラストを手がけた「loundraw」さんの雰囲気が浮かび上がってきて、とても大好きでした!



 彼女が良かったです。
 わざわざ書きたくないけど、書かないわけにはいきません。

 彼女の太陽のような笑顔が愛おしかったし、子供みたいなイタズラが好きだったし、桜のような切なさが胸に残り、脆さの感触が手に残っています。

 「彼女の人生の物語」とも言うべき本作、とても素晴らしかったです!

 

 

 

 

見事な物語の構成


 物語の構成が本当に見事でした。
 観れば分かりますが、じわじわと、その効果が現れてきます。


※以下、ほぼすべてが重要なネタバレです。というか、結末をおっもいっきり書いています。

 

ネタバレを表示

 

 色々と書きたいことはありますが、ネタバレという点では「伏線がすごい!」と言うのが一番です。

 一番最初、雨の葬式に行かず自宅にいる「僕」が描かれますが、彼の携帯には「君の膵臓を食べたい」というメールが一件。また、手元には『星の王子さま』が。

 そして、物語が進み、中盤で『星の王子さま』を借り、「一年後に返す」という会話をしたとき、「あ、返せなかったんだ」と鳥肌が立ちました。

 そして、メールの受け取りが分からなかった中、彼女のスマホを確認して、受信と既読がされていた事には本当に安心しました!



 彼女が病気で死ぬのではなく、まさか通り魔の手にかかって亡くなるというのは本当に衝撃で驚きました。
 不意に唐突に襲ってくる、悲しみや怖さをひしと感じました。



 そして、彼女が遺した「共病文庫」の中身に本当に感動。
 日々を綴った部分は、映画の内容を思い返すように見たし、「彼女がこんな事を考えていたのか」としれました。

 また、遺書の部分では、『星の王子さま』を踏襲したアニメーション演出が良かったです! バラではなくて桜なのですね!

 

 

 


 

 

 

以降、映画本編のネタバレあり

 

 

 

 


 

 

 

ネタバレあらすじ&感想

 

序盤

 

 雨降る日。
 亡くなった山内桜良の葬式と通夜が行われるも、「僕」は出ずに家にいた。

 彼が最後に彼女に送ったメールは、「君の膵臓を食べたい」という短い一文だった。そのメールが届いたか、彼は分からなかった。



 ある日の、学校の図書館。
 図書委員の「僕」は、同じく図書委員の彼女と棚の整理をしていた。
 そして唐突に彼女は、「昔の人は胃が悪ければ胃を食べていた」と語りだし、大きな声で「君の膵臓を食べたい!」と叫んだ。



 オープニング。
 そしてタイトルバック。
sumika「ファンファーレ」

 

 

 

 

 

前半

 

 季節は4月に遡る。
 盲腸の手術を終え、病院の待合室で会計を待っていた「僕」は、椅子の上に置かれた一冊の文庫を見つける。

 「共病文庫」と手書きで書かれたそれは、膵臓の病を負った人の日記だった。
 そして、持ち主の女子高生から「膵臓の病気でもうすぐ死ぬ」と明かされた「僕」だが、返事を他所に帰途につく。



 家までの帰り道、「僕」を待っていた彼女と“偶然”に出会い、「これから仲良くする」と一方的に言わるのだった。
 そんな彼女に、「好きなように残りの人生を過ごせ」と声をかける。



 その後、彼女は図書委員に立候補し、「僕」と2人で図書館の整理をするように。
 そしてその日、「死ぬまでにやりたい事リストに付き合って!」と彼女に連れ出された「僕」は、焼き肉食べ放題をし、商店街で不良に絡まれてた老人を助ける事に。

 その後、「Spring」という名のカフェを見つけた2人はそこに入った。



 翌日、教室では「僕」と山内桜良が2人で遊んでいたと大きな噂になっていた。

 人から詮索される事が嫌いな「僕」は、図書館で「これ以上振り回さないで」と彼女に伝えるも、その日もリストに付き合う事に。

 スイーツ食べ放題に行った2人はそこで、彼女の親友の恭子と出くわしてしまった。



 スイーツ食べ放題の後、2人は夕暮れの海岸へ。
 はしゃぎ遊ぶ彼女に、「僕」は「本当に死ぬの?」と質問する。

 彼女の答えは、「死ぬよ」という言葉だった。
 そして、「僕」と過ごす事について、「君は真実と日常をくれる人だから」と話した。

 

 

 

 

中盤

 

 連休、「僕」と彼女は電車で遠出する事に。
 新幹線の中、2人は初めてお互いの名前を教え会った。

 福岡に到着した2人は観光をしホテルに到着するも、手違いで2人一緒の部屋に。
 彼女がシャワーを浴びている間、「僕」が彼女の鞄の中で見つけたものは、ポーチに入った大量の薬だった。



 夜、ホテルの部屋で2人は「真実か挑戦か」というゲームをする事に。
 トランプで負けたほうが、質問に答えるか、指示を実行するかを選び行うゲーム。お互いに質問をし合うのだった。

 アルコールを飲んで眠たくなった彼女を、抱きかかえてベッドに運ぶ「僕」。
 そんな「僕」に、彼女は「死ぬのがメチャクチャ怖いって言ったらどうする?」と言葉を溢した。



 帰り際、電車の駅での別れ際。
 彼女が「楽しかったんでしょ?」と茶化すと、「僕」は「楽しかったよ」と素直に答えるのだった。
 帰宅した「僕」は、彼女からの連絡を待っている事に気がついた。



 雨が降る連休が明け、学校で恭子に呼び出された「僕」。
 恭子は、「桜良は繊細だから誰かが側にいなくては駄目。何かしたら殺すから」と声を荒げるのだった



 その日の放課後、図書館で彼女の好きな本が『星の王子さま』と聞いた「僕」は、その本を借りに彼女の家に行くことに。

 彼女の家で遊び、本を借りて帰ろうとする「僕」に、彼女は抱きつくと「やりたい事リストの中に、恋人でない人とイケないことをするというのもある」と囁いた。
 そして冗談だと笑う彼女を、「僕」はベッドに押し倒して腕を強く握り締めてしまう。

 彼女は涙を流し、「僕」は逃げ帰るように部屋を飛び出した。



 雨が降る中で帰る「僕」を待っていたのは、クラスで人気者のイケメン君。
 彼は「お前みたいなヤツが桜良と一緒にいるな」と迫り、「僕」を殴り倒してしまう。

 そこに、「僕」を追いかけてきた彼女が現れ、イケメン君に対して「嫌いになるから」と強く告げた。

 怪我をした「僕」に「色々な選択が積み重なって此処にいる」と言って「僕」に冗談を謝ると家に連れ帰った。

 

 

 

 

 

後半

 

 検査の数値が通常より少し高くて彼女が入院。
 お見舞いに行った「僕」は、そこで彼女と一度だけの「真実か挑戦かゲーム」をする。

 ゲームに勝った「僕」は、彼女に「キミにとって生きるとは?」と質問をした。
 質問に対し、彼女は「人と心を繋げること、人との関係の事」と答えた。

 そして「僕」に抱きつくと、「今は人の温もりが恋しい」と言うのだった。

 そのやり取りを病室の外でこっそりと聞いていた恭子が、病室に入って来たタイミングで、「僕」は病室を後にした。



 病室で「僕」は違和感を感じていて、お見舞いに行った時には「いつもと違う」と彼女に聞いていた。
 その予感が当たったかのように、彼女から「入院が2週間延びた」というメールを受け取り、すぐに放課後にお見舞いへ行った。



 彼女は「僕」を連れて病院から抜け出すと、小さな山の上にある展望台に連れて行った。

 やはり彼女に違和感を感じる「僕」は、彼女に「本当に死なないよね?」と改めて聞く。答えを茶化す彼女は、「私が死ぬのは嫌だ?」と問いかけた。
 そんな彼女の問いに、「僕」は「君がいてほしい」と口にするのだった。

 そして、夜空には大きな花火が打ち上がり、彼女は「だから今日じゃなきゃ駄目だった」と笑った。



 彼女はすぐに退院し、「僕」と海に行く約束をした日の朝。
 街待ち合わせに向かう「僕」は、駄菓子屋でガムを差し出すクラスメイトと出会い、これまで断っていたのと一転して、ガムを受け取るのだった。

 「僕」は彼女に変えられた。変わることを選んだのだった。



 約束の時間まで、カフェ「Spring」で待つ「僕」に、彼女から遅れるとのメールが入る。

 メールで何気ない会話を何通も交わす2人。
 そして、彼女から「私を褒めなさい」というメールが届き、「僕」はしばらく文面を悩んだ後で、「君の爪の垢を煎じて飲みたい」と打ち込み、それを消して「君の膵臓を食べたい」と送信した。

 しかし、そのメールを最後に彼女からの返信が来ず、時間が経っても彼女はカフェに現れず、カフェ閉店時間まで待っていた「僕」は家に帰った。



 帰宅後、居間のテレビから流れるニュースを聞き流していた「僕」。ニュースは町で発生した通り魔事件のニュースだった。

 それまで、聞き流していたが、とある単語に「僕」は大きな衝撃を受ける。
 被害者が、山内桜良だったのだ。

 それを聞いた「僕」は、よろけるようにして自室に戻った。

 

 

 

 

終盤

 

 雨の降る日、彼女のお葬式と通夜が催されたが、「僕」は家に閉じこもっていた。
 そして、彼女が死んでから10日目、現実とちゃんと向き合おうと決意した「僕」は彼女の家に向かった。



 仏壇に手を合わせた後、「僕」はこれまでの全てを彼女の母に伝えた。そして「彼女がつけていた日記、共病文庫を見せてほしい」と頼む。

 すると母は涙を流しながら、共病文庫を手にし、「僕」に渡した。母曰く、彼女は「死んだら渡してほしい」と頼んでいたという。

 内容を読み、閉じて返そうとする「僕」に、母は「最後のページが一番読んでほしい部分だと思う」と伝えた。



 一番最後に書かれていたのは「遺書」。
 そして、「じゃあ、最後に、君に」という書き出しに続き、色々な事が綴られていた。
 そして、最後の言葉として、「私は、君の膵臓を食べたい」と書き遺していた。

 共病文庫を読んだ「僕」は、母に彼女のスマホを借りると、受信メールを確認した。そこには最後に送ったメッセージが受信されており、既読済みだった。

 「僕」は涙を流し、お礼をいって共病文庫と共に彼女の家を後にした。



 後日、彼はカフェ「Spring」に恭子を呼び出した。
 恭子から葬式に来なかった事等を咎められビンタを受けるも、「僕」は彼女が病気だった事を明かし、共病文庫を見せた。

 別れ際、怒って帰る恭子に、「僕」は、「いつか、僕を許して友達になって欲しい」と頼んだ。



 エンドロール。



 彼女のお墓。
 「僕」は1年かかって、恭子と友達になっていた。変わる事を決意した彼は、しっかりと変わっていた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 本作、劇場アニメ版を観て感動し、実写版を観ました。
 その感想です。

 

 

 最後まで読んでくださり、
 本当にありがとうございました!!