『映画』や『アニメ』、『読書』や『旅行記』などの思い出を残すために、書き出したブログです。 私個人の目線で目線で書いているので、読みづらかったらごめんなさい!!読んでいただけると嬉しいです!!

【美術展】「バベルの塔」展──16世紀ネーデルラントの至宝〜ボスを超えて〜

バベルの塔」展 @東京都美術館
ブリューゲルバベルの塔」展──16世紀ネーデルラントの至宝〜ボスを超えて〜


【一言】

ブリューゲルの『バベルの塔』は細密かつ雄大。繊細で壮大。
威風堂々たる佇まいとそれを創り上げた人間の細かさがとても丁寧。
写実的であり空想奇天烈な世界観を描いた画家ボスとその後世関連作品群の愉快さが最高に面白かった!ネーデルラント美術の美しさは背景にあり!

 



目次

 




【 概要 】

 ブリューゲルの最高傑作と名高い《バベルの塔》(1568年頃)が24年ぶりに来日します。 

 壮大な風景と驚異の細部が凝縮された画面は、まさに傑作です。 

 さらに写実的な描写を駆使しながらも強烈な個性で奇想の世界を描き出したヒエロニムス・ボスの貴重な油彩2点も初来日。 

 そのほか、同時代の絵画、彫刻など計約90点で、16世紀ネーデルラント絵画の魅惑の世界を紹介します。

(公式サイトより)





 

Google Art&Culture】


  『Google Art&Culture』を紹介します。世界中の美術館が所蔵する絵画、立体造形、写真作品等の美術品+芸術品をデータとして保存、公開しているサイトです。
 
 何が素晴らしいかというと、世界中の作品がパソコンやスマホから観れるわけです。そして最大の利点はスームアップができるということ。(以下の奇妙な生き物たちや『バベルの塔』のアップ画像もGoogleArt&Cultureのキャプチャ画像です。)

 そして、今回のブログ記事で作品ページを掲載します。ぜひ、一度見てみると面白いと思います!!

Google Art&Cultureトップページ






 


【感想】

〈感想外観〉


 美術館に行くたびに言っている一言。
 「やっぱり本物は凄い」

Museum Boijmans Van Beuningen『バベルの塔



 目玉展示はブリューゲルの『バベルの塔』でしたが、それまでの流れ、特に画家ボスと彼の作品を模した作品群がとても個性的で面白くて印象的でした。

 彼の作品はとてもリアルでありながら、怪獣や怪物、自身が創造した生き物をたくさん散りばめていて、写実的でありながらファンタジー調。奇怪で奇妙で不思議な世界観が本当に楽しくて愉快でした!


 まるで『ロード・オブ・ザ・リング』や『アリス・イン・ワンダーランド』、ティム・バートン監督の描く世界みたいでした!




 ネーデルラントの絵画の見どころは『背景』だと思いました。丁寧で細かいというのが大きな理由ですが、他に面白かったり、特徴的に思えました。(特に木,森,緑の描き方が綺麗!)


 そしてブリューゲル。画家ボスの影響を大きく受けていたらしく、彼の作品の中にも奇怪な生物たちが登場。しかし、それを昇華させて描いていたのが印象的でした。



Google Art&Culture『ブリューゲル作品一覧』




以降は展示を幾つか挙げながら感想を書いていきます。
(『バベルの塔』は目玉展示と言う事で、別書きします。)

 


 

バベルの塔


 ブリューゲルの『バベルの塔』、本物を見ました。まず第一印象は「小さっ!」。同時に「デカっ!」




 まず「小さっ!」の方。
 具体的なサイズが約60×74.5cm。しかも離れた所からの鑑賞だったので余計に小さく感じました。
 そして、小さい絵をさらにミニサイズに思わせたのが細かな描写。絵の具一滴を垂らしただけのように小さな労働者や市民などの人々。一つ一つ描かれた小さなレンガ、細い木製足場……etc.




 続いて「デカっ!」の方。
 これはバベルの塔の壮大さ、サイズ感に驚かされての感想です。小さな額縁にどんと腰を据え、雲を突き抜けて堂々とそびえる姿がとても大きく、雄大に感じました。
 さらに、この効果を演出しているのが上の感想「小さっ!」の部分。つまり、細かさがこのスケール感を演出しているのだと思います。大きな建物に小さな人間を加えることで、相対的に建物か大きく見えるのでしょう。ジオラマと一緒ですね(まったくの素人ですが)




 そして、天までそびえる塔を建てる場面を描くにあたって、かなり具体的だと思いました。まず建設方法がクレーンを使用したり、木材で足場や型を組んだり。 
 螺旋状の坂道を作る事で高い塔でも資材の運搬が可能になるはずです。地理的に考えれば海岸に建築する事で材料となる石材等の運搬が楽になります。そして、周囲に住居などが見えることから労働者の生活も周辺で完結していると考えられます。




 あ、もちろん上記の事が現物を見て考えたわけではありせん。最新技術を駆使して、高解像度の拡大複製画が展示してあり、そこで細かい部分は見ました。人の動き、レンガの山、施された彫刻……。
 解説でありました。下の画像の右側に像の彫刻が施されていることが分かります。そして、左下には行列をなす人々。ここは礼拝施設という説が有力らしいです。




 解説でもありましたが、聖書で『バベルの塔』と言えば言語がバラバラになった悲劇ですが、ブリューゲルの当作は悲劇よりも、日常と人々の協力を描いているように思いました。当時のネーデルラント美術は日常風景を描くのが流行でしたから、その延長線上なのでしょうか。



Google Art&Culture』の作品ページ

 



 

〈各作品詳細感想〉


 いくつか心に残った作品をピックアップして感想を書きたいと思います。
 順番は展示されていた順番、展示目録順に書いていきます。
 ※数字はこのブログで便宜上付けたもので、展示目録の作品番号ではありません。
 ※【 】内の章分けは美術展に合わせています。

作品リスト(PDF)

作品表記例
0:作品名(展示目録から)
 :作者名(展示目録から)
 :感想──





【Ⅰ16世紀ネーデルラントの彫刻】

1:四大ラテン教父:聖アウグストゥス,聖アンブロシウス,聖ヒエロニムス,聖グレゴリウス
 :アルント・ファン・ズヴォレ(?)
 :木製の彫刻。ただ、同じ木像でも東洋の仏像とは雰囲気が全然違います。優雅さが感じられました。髭の感じ、持っている聖道具などが雰囲気をアップさせていました。






【Ⅱ信仰に仕えて】


2磔刑のキリストと聖母、聖ヨハネ
 :ベルナルト・ファン・オルレイ
 :キリストの磔刑場面画をTV等で見るとどうしても上部の光り輝く天界や天使に目が行きがちですが、大きな実物を見ると絵画の下部、十字架上のキリストの足下や地面がとても丁寧です。転がる骨、岩、草など。






3:風景の中の聖母子
 :ヘラルト・ダーフィット
 :原色に近いような濃い赤,青,白の衣装が目を引きました。地面の鮮やかな草花、線がとても綺麗でした。






4:聖カタリナ
 :枝葉の刺繍の画家
 :(感想は下の5番とあわせます)


 



5:聖バルバラ
 :枝葉の刺繍の画家
 :この作家好きです! 作者不詳で、絵画中の木の描き方が刺繍のようだからついた名前らしいです。とにかく細かくて、絵全体が綺麗。刺繍のような木草花が本当に美しかったです。聖女性の髪が特に素晴らしかったです。






6:庭園に座る聖母子
 :作者不詳
 :この作品は背景がとても気に入りました。後ろの風景の建物と下の草がパズルのような感じで好きです。





【Ⅲホランと地方の美術】

 

7:聖母子と奏楽天使たち
 :ヤーコプ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン
 :楽しそうで愉快で賑やか! たくさんの天使たちが楽器を演奏し、石像までもが楽器を演奏し。そして何より幼いキリストが天使と遊ぼうと手を伸ばしているのが愛らしい!!






 

【Ⅳ新たな画題へ】


 ここからの第4章はそれまでの強い宗教色から脱して、日常風景を重視した作風に変化していきます。
 そして、その絵は『ナルニア国物語』を思い起こさせました。濃くて細かい自然と美しい背景がまさにナルニアの世界でした!



8:風景の中の二頭の馬
 :ハンス・メムリンク
 :背景の木が本当に綺麗です。手前の馬の上にいるのは一体何でしょう?妖精?悪魔?





 

9:ソドムとゴモラの滅亡がある風景
 :ヨアヒム・パティニール
 :背景の真っ赤な大火と、右手前の暗い岩山のコントラストが良かったです。奥からは熱風が、手前からは冷気が感じられるような1枚でした。2人の娘と天使が可愛かったです。






10:ロトと娘たち
 :ヨアヒム・パティニール周辺の画家
 :9番の作品と同じように右手の炎と左手の森林の対比が良かったです。絵が妙にリアルで、濃くて艷やかで滑らか!







11:聖クリストフォロスのいる風景
 :ヘリ・メット・デ・ブレス
 :港町。透明感溢れる綺麗な海の明るい蒼と、森の暗い翠がとても対照的で美しい! そんな中で聖クリストフォロスの赤い衣が目立ちます。






12:男性の肖像
 :ピーテル・プルビュス
 :すごく親近感の湧く、『the オランダ人』って人物画。髭が凄い!………感想はコレだけなんですけどね(笑)

 




【Ⅴ奇想の画家ヒエロニムス・ボス】

 

13:放浪者 (行商人)
 :ヒエロニムス・ボス
 :水鳥の看板は娼館を表すらしいです。全体的に絵が薄茶色で、絶望感や貧困感が漂っているように思えました。


Google Art&Culture』






14:聖クリストフォロス
 :ヒエロニムス・ボス
 :(14,15,16番まとめて感想書きます)

Google Art&Culture』



15
:聖クリストフォロス
 :逸名のドイツ人版画家
 :(14,15,16番まとめて感想書きます)


16:聖クリストフォロス
 :J・コック
 :(14,15,16番まとめて感想書きます)


14〜16
 :絵を見ると、思い浮かぶのは『ナルニア国物語』『ロード・オブ・ザ・リング』『アリス・イン・ワンダーランド』とティム・バートン監督の世界観です。
  奇妙なモチーフ、ファンタジックな小物、奇天烈な生き物……etc. 見れば見るほど、解説読めば読むほどに面白い絵画作品でした!

 


Google Art&Culture』:ヒエロニムス・ボス






【Ⅵボスのように描く】

 

17:聖アントニウスの誘惑
 :ヒエロニムス・ボスに基づく
 :奇妙な世界大好き! 変な生き物、おかしな人間。頭足人間の気味悪さが最高! ファンタジーですよ、まさしく。




18:聖アントニウスの誘惑
 :J・コック
 :悪魔的、神話的な木版画。版画であることが雰囲気を増大させています。魔物の顔が恐ろしいです。





19:樹木人間
 :ヒエロニムス・ボス
 :ボス作品に多く登場する『樹木人間』の単体絵。まさにファンタジー。神話や童話に出てきそうです。悲しそうな顔が何とも言えない哀愁のムードを漂わせています。





20:様々な幻想的な者たち
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :漫画『進撃の巨人』の奇行種みたいです(知らない方スイマセン)。幻想的というよりは怪奇的な生き物達です。でも、この絵好きなんですよねぇ〜。





21:聖マルティヌスと船上の馬
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :「ボス最高!」




22
最後の審判
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :「ボス最高!」




23
最後の審判
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :「ボス最高!」



 21〜23番までの感想は、少し手を抜きました……。あの世界観をなかなか表現できないのと、どちらかというと感覚的に好きって部類なんですかね?
 画像があれば良かったのですが……。

 



24:象の包囲
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :中心に描かれた象の顔の気迫が凄い! 映画『ロード・オブ・ザ・リング』で似たような場面がありましたよね?




25:陽気な仲間たち
 :作者不詳(ヒエロニムス・ボスの模倣)
 :面白く思ったのが「絵の中の絵に描かれたのは⁉」。

 



【Ⅶ ブリューゲルの版画】

26:聖アントニウスの誘惑
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :!!!! すっごく好きです!! とにかく好きの一言につきますね(笑)





27:大きな魚は小さな魚を食う
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :題名はネーデルラントのことわざで、『弱肉強食』の意味だそうです。船の上で父親が息子にその意味を教えているというのが、奥の風景と対象的に落ち着いていて滑稽でした。





28:希望(連作『七つの徳目』より)
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :題名は『希望』ですが『絶望』の方が目立っている気がします。でも、希望って絶望の中から生まれてくるんですもんね。





29:忍耐
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :ブリューゲルはボスの影響を強く受けたそうですが、この『樹木人間』が出てきたときほどの喜びはないですねぇ〜!





30:石の切除
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :最初、題名をちゃんと見ずに「石切場の風景かな?」って思って見たら、なんと顔から吹き出した石を切除している! いやぁ、世界観がボスですよ。





31:冥府に下るキリスト
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :冥府の風景最高です!ボス風の奇怪な生き物や景色が冥界にピッタリなんですよ!





32:魔術師ヘルモゲネスの転落
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :変な生き物のオンパレード、ギュッと詰まった生き物が最高!





33:野生人
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :この絵、大好きです。見た瞬間に笑いました! 可愛いし、面白いです!





34:金銭の戦い
 :ピーテル・ブリューゲル1世
 :まさしく皮肉、風刺画ですね。金袋に手足頭がついて、武器を持って戦う。タイトル通りです。



 
Google Art&Culture』:ピーテル・ブリューゲル






 


 以上です。
 
 本展ではもちろん大々的に宣伝していたブリューゲルの『バベルの塔』を目当てに行ったのですが、ボスと彼の模倣作品やその風潮を取り入れた絵画の奇妙さと面白さの虜になりました!

 観ていてとても楽しい展示会でした!

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