『映画』や『アニメ』、『読書』や『旅行記』などの思い出を残すために、書き出したブログです。 私個人の目線で目線で書いているので、読みづらかったらごめんなさい!!読んでいただけると嬉しいです!!

【映画】光をくれた人

※ネタバレなし。
※画像は予告映像のキャプチャ/映画.comより


2017年6月7日
光をくれた人
(原題:The Light Between Oceans)


【評価:2.7/5.0】

 

『イザベル──孤独だった僕の人生を照らしたのは、君の愛だった。』

 

【一言】

純正統恋愛映画。飾らない手紙の文面がとても綺麗。
愛か、規則か、罪か、赦しか。
雄大な海と静かな音楽の前で描かれる人生劇に見入る。

 

 
目次

 



【STORY】


 第一次世界大戦終結後。主人公のトムは灯台守として離島での孤独な生活を送っていた。
 数ヶ月後、上司からの呼び出しで帰港した街でイザベルと文通を始める約束をする。回数を重ね、彼らは結婚をし、島での2人暮らしが始まった。
 しかし、幸せな日々が永遠に続くはずもなく、ある日2人の人生が変わるモノが島に流れ着いてくる────。

予告動画
※予告動画は完全にネタバレです。


 

 

【映画データ】


監督:デレク・シアンフランス
原作:M・L・ステッドマン『海を照らす光』
キャスト:マイケル・ファスベンダー,アリシア・ヴィキャンデル and more.
上映時間:132分
日本公開:2017年5月26日
配給:ファントム・フィルム



 

【感想】

 

〈感想外観〉

 最初に思ったことを。予告映像が全てネタバレのようなものなので。恐らく、予告を観ないほうが純粋に映画を楽しめます。


 綺麗な映画で、内容や展開、描き方もスクリーンに見入ってしまうような構成でした。しかし、見る時期が早すぎたと思いました。母親でも子持ちの父親でもない自分としては映画前半部分は共感できたものの、後半からは登場人物との“想いのズレ”が生じたように思いました。


 時代が第一次世界大戦後ということで連絡手段は手紙と電報。この手紙がとても良い雰囲気でした。
 特にラブレターは飾らない、シンプルな文字で綴られていて綺麗でした。



 海の映し方がとても綺麗だなぁ〜と思いました。落ち着いた感じというか、普通の海を映している感じ。波とか夕日とかを上手に画にしていたと思います。
 音楽がBGMに徹していた印象です。前面に出てくることがなく、あくまでも雰囲気を出す為の手段として用いられていたと感じました。



 内容。
 前半、トムとイザベルが手紙で愛を語るのが最高に美しくて好きでした。
 中盤、胸を掴まれるような苦しさが襲ってきます。そして衝撃もともに。
 後半、心の中は焦りとハラハラが大半を占めながら物語を鑑賞。
 終盤、モヤモヤを残しつつも、優しいラストでthe END.


 主演のマイケル・ファスベンダー。最近色々な所で名前を聞きます。そして、確かに演技が凄かったです。主演女優アリシア・ヴィキャンデルの方もここ数年で数々の賞に輝く実力派。



 内容についてもう少し。展開がすこし急ぎすぎなように思いました。自分としては前半の美しくて楽しい日々をもっと描いてもいいなぁ〜と。その上で後半に繋げた方が色々な部分の想いが強くなると思いました。内容が薄いというか、詰め込みすぎというか……。


 最後に。
 邦題、悪くはないんですが少し残念です。ネタバレと言うよりは、イメージを崩しちゃいそうなので後で書きます。キャッチコピーに至っては最悪。

 




 

以降、ネタバレ含みます


 



〈観る人を選ぶ(?)〉
 この部分の感想についてですが、人によっては不快感を感じてしまうかもしれません。

 映画の内容はとても良かったのですが、『感動するorしない』については観る人の年齢とか人生が大きく関係しそうです。
 少なくとも、自分は映画は楽しめたけど感動まではしなかったし、面白かったけど共感まではできませんでした。



 前半のキラキラしたラブストーリー部分はとても面白かったし、ドキドキしたし、羨ましくもなりました。
 しかし、物語が進むに連れて共感度は下がっていき、むしろ疑問と若干の嫌悪感のようなものさえ持っていたように思い出します。



 自分は母親ではないですし、子持ちの父親でもないです。その部分が大きかったのかなぁ〜と。
 流産した時の悲しみ、赤ちゃんの命を失った絶望感、流れ着いた子を育てたいという気持ち、本来の母親に返したくないという愛情………これらの感情・気持ちがイマイチよく分からず、共感と感動に繋がりませんでした。



 嫌悪感という表現は決して正しくないですが、それに近しいものを感じました。イザベルの言動については特にです。子供が産めないという悲しさは理解できますが、流れ着いてきた、それも父親の死体と一緒に船に乗っていた赤ちゃんを自らの子供とするというのはあまりいい気分ではありませんでした。


 自分の経験や思考,想いが、劇中の登場人物や映画制作サイドとズレがあったように感じました。





 


〈手紙の美しさ〉
 映画の各所で『手紙の美しさ』が輝いていました。手紙は文字を書くという行為が伴い、それがまた美しさを高めているように思いました。


 そして手紙の内容。なにも飾らず、ただ心にある言葉をそのまま文字にして送っているだけ。このシンプルさがとても良かったです。文通がいつしか恋文になる瞬間、その言葉が印象的でした。

本編映像「手紙でプロポーズ」


 





〈内容──冒頭〜中盤〉
 冒頭、灯台守の仕事としって「邦題の『光をくれた人』はここに繋がるのか?」と思いました。予告動画もあらすじ紹介も読んでいなかったので、少しスッキリでした。


 手紙のやり取りのシーンはすでに書いたので割愛。イザベルが「Yes」とプロポーズを受けてからの結婚式。とても幸せそうでしたね〜。彼女の笑顔がとても愛らしかったです。



 一緒に住むように島で住むようになった2人。これまた幸せの絶好調。傍から見ても良いカップルの模範です。理想的ですよ、本当に。 セックスシーンが何度か挿入されましたがとても幸せそうでした。(アクション映画のそれとは大違い。)
 ひげ剃りのシーンがとても幸せそうで、楽しそうで、明るくて好きでした。幸福な日常の象徴っていう印象でした。

本編映像「ラブラブひげそり」





 …………が、事態は急変。大嵐です。この場面は本当にスクリーンに釘付けでした。心の中で「ダメー!行かないで!」と叫んでいました。謀ったかのように運悪く“つわり”がやってきて、でもその叫びは灯台のトムには届かない。2人でいるのに孤独な恐怖が描かれていました。
 そして遂に猛嵐の中外に出たイザベル。灯台の扉の前で夫の名前を叫ぶも届かない、このモヤモヤハラハラした気持ちがとても嫌でした。



 そして序盤から中盤までで一番好きなシーンは『ピアノの医者』を呼んだ場面。呼んだ医者が実はピアノの調律師だったという事を知ったときには自分も喜びと感謝の気持ちが湧いてきました。

 

 

 

 

 

〈内容──後半〜最後〉
 漂流してきた船の中に赤ん坊を見つけた2人。最初は観ている自分も神からの贈り物だと思いました。しかし、彼らの立場が灯台守だということをトムの「報告する規則がある」という言葉で思い起こさせられました。

 イザベルの説得に負け、一晩、一日と次第に報告が遅れ、遂に虚偽の報告と死体埋葬等の証拠隠滅をし始めたシーンには腹がたったというか、嫌悪感を抱きました。



 定期便の船長らに自分の子供として紹介し、街に戻って家族写真&教会での洗礼。もし自分ならこんな重大な隠し事と良心の呵責に耐えられないと思います。


 教会の墓地で。漂流してきた子供の真相を知った場面。予想して身構えてはいたものの衝撃でした。子供の親が判明したということ以上に、こんなにも身近なところにいたということが恐怖にも近い感情でした。



 本当の母親ハナに手紙を投函したり玩具を届けたりしたのはせめてもの罪滅ぼしだったのでしょうかね?



 ラスト周辺。警察の捜査開始と島での捜査、逮捕と連行、事情聴取などの場面。イザベルを救うために嘘をつくシーン。ここ、嫌いです。前半の美しい物語を台無しにするかのような黒く汚いシーンです。

 ハンナは亡き夫の言葉を思い出して赦そうとしますが、それが逆効果的には物語を酷くしているように思いました。なかなか言葉には難しいのですが、そうする必要があったのか、これが最善のルートなのかと疑問です。(赦す事については宗教的な事なのかもしれませんが)



 しかし、最後の最後、ラストは良かった! ルーシーが訪ねて来るシーン。罪の軽減やルーシーの成長過程(家庭)等は気になるものの、ここで訪ねてきて、手紙を受け取り、また来ると約束して家を出る場面を挿入したのはとても良かったです。

 

 

 

 

 

〈映像と音楽〉
 映像はとても綺麗でした。綺麗と言っても「この映像、芸術的に綺麗!」というのではなく「良い雰囲気だなぁ〜」です。
 舞台の海の波や照り返し、灯台と島、沈む日の光、アップで映されるトムとイザベル……etc. 
 写真家の撮る風景写真みたいでした!




 音楽。今作は音楽が前にしゃしゃり出て来なくて、しっかりとBGMとして働いていたのが良かったです。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように音楽を前面に押し出した、映像の一部とする方法もありますが、あくまでも雰囲気を引き立てる役なのだなぁ〜と思いました。

 

 

 

 


〈邦題の失敗〉
 この邦題は失敗。原題は『The Light Between Oceans』───直訳すると『海の間の光』ですね。これが素晴らしいと思うんですけどね……。灯台という大きなものを表せていると思います。
 

  一方で邦題は『光をくれた人』。
  キャッチコピーは『イザベル──孤独だった僕の人生を照らしたのは、君の愛だった。』

  
 なにが気に入らないって、“人”と言ってしまった事。確かにトムに光を投げかけた一人はイザベルでしょう。しかし、それ以外にもいるのでは? 街の人、赤ちゃん、定期
船の船長……etc.

 そして、一番の文句を。「人だとは限らないじゃないですか!」。 島での孤独な生活が彼を癒やしたかもしれない、灯台守の義務に意味を見出したかもしれない。「赦し」というキーワードを光に例えたのかも、「赤ちゃんの救出」が光なのかもしれない。


 こうやって、『人と人との愛情映画』だけとして押し出すにはもったいない作品ですよ。そしたら邦題は『ひかり』とかってシンプルにすれば良いのでは……。

 

 

 

 


〈主演の2人〉
 マイケル・ファスベンダーアリシア・ヴィキャンデル。2人とも現在進行形で人気と信頼度が右肩上がりの俳優ですよね。様々な作品に出て、色々な所で名前を聞くし、何より沢山の賞にノミネートされ、受賞している実力の持ち主です。




 ファスベンダーの方は直近では『X-MENシリーズ』のマグニートーや、『スティーブ・ジョブズ』のジョブズ役を。 個人的には寡黙な人物を演じるという印象で、今回もそれに合う役です。
 今作では孤独を好むトムを演じましたが、顔と表情の動きが凄いなぁ〜と。



 そしてヴィキャンデル。『エクスマキナ』や『リリーのすべて』、新作トゥームレイダーの主役を演じます。 実は、『エクスマキナ』も『リリーのすべて』も未観の自分にとっては彼女の演技を主役として観るのは初めて。………素晴らしかったです。笑顔あふれる魅力的な女性から精神を病んでしまったような女性への演じ分けが上手かったです。

 

 

 

 

 

〈内容への文句〉
 内容についてですが、急ぎすぎたというか、詰め込みすぎのような気がします。一番の原因は何人もの人生を描き、視点で描かなくてはいけなくなってしまった事。トムの視点1つに絞れば良かったのに、途中からイザベルの視点もはさみ始めます。



 そして極めつけはハナを登場させたこと。これは個人的には大きな失敗だったと思います。漂流してきた子供を報告せずに育てた事への罰は他の方法でも示せたのでは? 彼女を登場させる事で語らなければならない事が増え、結果的に物語のまとまりが薄れたように感じました。



 また、こちらはかなり個人的ではありますが、前半の幸せな日々をもっと描いてほしかったです。中盤、後半へと繋げるだけの最低限の部分しか描いていないように見え、もっと祝福された生活を描いたほうが、後半との落差もハッキリとしてくるのではないかなぁ〜と。




 

以上、『光をくれた人』の感想でした。

 

 

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